肝心の温度と消費電力は?
Phenomは今だに65nmプロセスから脱却できておらず、今どきのCPUにしては消費電力がやや高めである。現在のフラッグシップであるX4 9850BEでは消費電力が大きいため、電源回路部分の設計が貧弱なマザーでは動かないというトラブルも発生しているようだ。だが、X3 8750なら1コア少ない分消費電力もマイルドになっているはず。それを確認するために、テストでは定番の「ワットチェッカー」を使い、アイドル時と「CineBench」テスト中の値を測定した。
消費電力 アイドル時(単位:W) ←better
消費電力 負荷時(単位:W) ←better
結果はこの通り。アイドル時ではほぼ9500並だが、ピーク時はコア数の少なさが効いて最も消費電力が少なくなった。トリプルコア化したX4 9850BEの消費電力が高くなったのはOSから認識されなかった1コア分が省電力モードに入れなくなったためと推測することができる。
では発熱はどうだろう? 今回もCPUのみを調達したため、リテールクーラーを使った場合の温度は比較できない。そこで9500のリテールクーラーを全CPUで使い回し、同条件でどこまで温度差がつくか実験してみた。温度の測定は「AMD Overdrive」を利用し、アイドル時と「StressPrime」で10分間負荷をかけた時の温度を比較している。
CPU温度 アイドル時(単位:℃) ←better
CPU温度 負荷時(単位:℃) ←better
ここでも消費電力とほぼ同じ傾向が見られる(理屈からいえば当然の話)。ピークで49℃という結果は現在のCore 2 Duoと較べると決して低くはないのだが、1コア少なくなっただけでほぼ20℃も下がった点は大いに評価できるだろう。ちなみに、トリプルコア化したX4 9850BEは正常なPhenomと判断されなかったようで、AMD Overdriveは起動しなかったことを付記しておく。
一般庶民にとってはトリプルコアが最適か?
ここまでの結果を見るかぎり、PhenomにおいてはトリプルコアCPUとクアッドコアCPUの差はそれほど大きくない。いや、利用するアプリにとっては(例えそれがマルチコアCPU対応であっても)大差ない、と考えるべきだろう。消費電力も発熱もそこそこ抑えられており、なおかつ安くクアッドコアのハイエンドモデル(X4 9850BE)よりもちょっと下の性能で使える……コストパフォーマンスが高いCPUが欲しい人にとってはトリプルコアのX3 8000シリーズは極めて魅力的なCPUであるといえるだろう。
良くも悪くも“それ以外に新鮮味ナシ”のCPUになっているという意地悪な評価もできるが、これまで当サイトでもPhenomのレビューをするたびに「熱い」「電気食う」と評価してきた。だが、X3 8000シリーズの登場により、ようやく“気楽かつ快適に”使えるマルチコアCPUがAMDにも登場したといえるだろう。現在市場では9600BEが2万円未満で購入できるため、表面的な値段はそれほどの魅力はないといえるかもしれないが、今後値が下がればベストバイクラスのCPUとなることは間違いない。
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