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『仮想化』――いま何が起こっているのか/日本仮想化技術の宮原社長に聞く<2>

仮想化の今後 ケータイも仮想化!?

2008年05月21日 10時00分更新

文● 小橋川誠己/アスキーネタ帳編集部

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増えすぎたサーバ、不足する電力


 ところで、前回のお話の中では、「MacでもWindowsを使いたい」「VistaでもXPを使いたい」といったユーザーのニーズをハードウェアの進化が後押ししたことで、コンシューマの世界での仮想化がブレイクした、と捉えることができました。では、エンタープライズの世界、特にサーバの仮想化がこれほどまでに盛り上がっている背景には、何があるのでしょうか。

「一番大きな理由は、間違いなくシステムの肥大化、サーバの乱立です」。宮原さんはそう説明します。

「サーバの価格が下がり、導入の敷居が低くなったことで、企業が抱えるサーバの数がどんどん増えてしまった。増えすぎたサーバの面倒を見切れなくなってしまっているのです。サーバを収容するデータセンターの物理的なスペースや電源容量の不足まで問題になっています」(宮原さん)。

 電源や物理スペースの不足だけであれば、データセンターの移行やサーバマシンのリプレイスといった方策で済むかもしれません。ただ、それでは、煩雑化するサーバ管理の問題の解決にはつながりません。そこで、根本的な問題解決の方法として、「仮想化」によるサーバ1台あたりの利用率向上が注目されているのだそうです。

「例えるなら、“ガソリンがないから自動車に乗るのをやめる”ではなく、“いかにしてエネルギー効率を高めていくか?”というのが、仮想化の発想なのです」(宮原さん)。

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