仕上がり設定は項目が豊富
通常は「標準」の設定ままで、撮って出ししても外すことはないだろう。多少レタッチをしたいのであれば、仕上がり設定で「ソフト」か「ポートレート」モードで撮影し、階調を残す方向の設定がいいと思う。「鮮やかに」などの設定では、コントラスト彩度とも高すぎると感じた。ユーザー自身が、カスタムでパラメーターを上下させたほうがいいだろう。
再生メニューのなかには撮影画像を修正する設定項目がある。その中にデジタル一眼レフ機でもおなじみの「D-ライティング」があるが、デジタル一眼レフが撮影時に行なうのに対してこちらは撮影後の画像に対して行なう処理だ。どんな画像にも有効とは言えないが、設定画面で適用前と後の画像が確認できるのは便利だ。撮影後、少し明暗差が激しいかな?と感じた場合などに試してみるといい。元画像はそのまま残るので安心して操作できる。
COOLPIX P80の想定するユーザーはお手軽に高倍率ズームを楽しみたい人と言える。「P+数字二桁」のモデルは、リーズナブルな機種として割り切りが必要だ。いろいろなものを犠牲にしてこのボディのコンパクトさを手に入れたと考えれば文句は言えないだろう。
価格の割にはレンズのキレもよくて、吐き出す画像の色味は今流行の少しコントラスト彩度ともに高めの画像。コンパクトなボディは普段の持ち歩きにも苦痛にならない。バッグの隅にしのばせておくことも可能だろう。
とはいえ、以前ニコンが販売していたCOOLPIX8400/8800の画質を知っているユーザーからすると、不満に残る部分もある。一眼レフのエントリー機が大幅に低価格化する中、ハイエンド一体型機の存在意義があるかどうかは判断しづらい。しかし、携帯しやすいワンボディーで高倍率、これに高画質が加わった製品の登場を待ち望む気持ちも捨てきれないのである。