ブランドとしての作り込みは?
日本でファッションブランドと組んで出てきた登場したケータイは、ドコモの「M702iS」、いわゆる「MOTORAZR」をベースにしたDOLCE&GABBANAブランドのケータイがあった。
その見た目は「キンキラキン」で、見る者を圧倒する魅力を放つ、いかにもドルガバらしいものだ。一方中身は、着メロや壁紙などは独自のものが入っていたが、そのほかは通常のMOTORAZRと同じだった。
それでは、プラダのケータイはどうだろう。
PRADA phoneは、iPhoneと同じフルスクリーンのタッチディスプレーを採用し、非常にシンプルな見た目に仕上がっている。ブラックなボディーにシルバーの「PRADA」ロゴが光り、さらにシルバーのパーツが端末の側面をぐるりと取り囲む。非常にプラダらしい意匠だ。
iPhoneとの違いは、タッチパネルが静電式ではなく感圧式という点。感圧式であるがゆえに、服やケースの上からパネルに触れると反応してしまうが、一方で静電式では対応できない爪先での操作も可能になっている。爪の長いおしゃれな女性にとってはiPhoneよりも扱いに慣れやすいだろう。
またパネルに触ったことを認識すると、端末が軽くふるえて操作をフィードバックしてくれる点も、iPhoneとの違いだ。着信時のバイブレーションとは異なる細かい振動は、エレガントでかわいらしい。
そして約92gと軽くて、本体の幅も54mmとそこまで広くないため、女性ユーザーにとって持ちやすい点も見逃せない。このように、既存のケータイにブランドという服を着せただけでなく、いちからPRADAのケータイとして新しい価値を作り出すことに努めていることが分かる。
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