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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第23回

プラダを着た小悪魔「PRADA phone」

2008年05月15日 11時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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「ブランドの世界観を日常に持ち込める」


 この3G版PRADA phoneは、ブランドの既存顧客への満足度と、「もっとも洗練された市場の1つ」である日本のケータイ事情にキチンと対応している点で、多くの人に受け入れられるものと思われる。

 しかし、個人的に気になったのはiPhoneとの比較だ。PRADA phoneの発表パーティーで「New Experience」という言葉を何度か耳にしたが、iPhoneと比べると、タッチパネルの操作感やフル環境のインターネットを持ち出す、といったテクノロジーを基盤とした「New Experience」を打ち出せているわけではないようだ。

 さらに言えば、ガラスと金属の高い質感を生かしたiPhoneやiPod touchを触っていると、プラスチックをベースとしたPRADA phoneの素材選びは少し残念だった。

 重さや電波受信、製造コストといったさまざまな要素とのバランスではあるが、PRADA phoneにモノとしての高級感をあまり感じられない人もいるだろう。あくまで「ブランドの世界観を日常に持ち込める」というところを楽しむ端末なのかもしれない。

 欲を言い出せばきりがないのだが、とにかく注目すべきポイントは、ケータイが「ブランドを生活に持ち込む媒介物」になっていることなのだ。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



*次回は5月22日掲載予定


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