宇宙飛行士は箸も上手に使いこなせる
土井宇宙飛行士の話は、宇宙から見たオーロラや富士山の真上からのみごとな景観にはじまり、宇宙食や船内で着ていた運動着についてなど、多岐にわたりました。宇宙食では、お稲荷さんがほかのクルーに大好評だったんだとか。みなさん、箸を使って上手に食べていたそうです。さすが宇宙飛行士、箸使いの訓練まで行なわれているのか! と思いきや、「無重力だから、箸使いが下手でも落っことさないですむ」というオチでした。そりゃそうです。
きぼうを使っていちばん期待していることってなんでしょうか?――そんな問いに対する答えとして、土井さんは第一に宇宙実験をあげていました。たとえば、体が宇宙空間でどういう風に変化していくのか。生物に対して、無重力や放射線がどう影響するのか。今後、そうしたことが調べられるようになる意義について語ってくれました。宇宙空間でもっと長く住むにはどうしたらいいか。月や火星を目指すとなれば、1年から2年にもおよぶ長い宇宙滞在、宇宙旅行が現実になります。そんな将来を見据えているんですね。夢が膨らみます。
また、無重力のなかでどんな自然現象がおこるのか、たとえばもっと質のいい半導体や合金を作るとか、新しい技術開発の場になることも期待しているそうです。それ以外にも、たとえば、日本人の宇宙飛行士が滞在しているときに宇宙授業をやろうという構想もあるんだとか。宇宙空間と地上の日本の学校とを結び、宇宙空間の不思議さとか、地球の素敵さをみなさんに紹介するといったこともやりたいそうです。
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