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BI―ビジネス・インテリジェンス コンピュータの知性はビジネスを本当に変えるのか?

ビジネス版“メデューサの瞳”を手に入れる

@cosmeの裏で活躍するBI

2008年05月19日 04時04分更新

文● 西川仁朗/アスキーネタ帳編集部

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衛星放送の人気維持策に活用


 松下電工のような顧客のニーズを集めて積極的に売上を拡大する活用法を“攻めのテキストマイニング”とすれば、顧客の不平不満を解消する“守りのテキストマイニング”の事例が衛星放送事業者のWOWOWです。

 有料の放送事業者ではカスタマーセンターに寄せられた顧客の声をオペレーターがデータベースに入力し「ホットボイス」と呼ばれるレポートで情報発信をしていました。このデータをテキストマイニング分析した結果は、同社の番組の編成にも活かされています。2002年のTRUE TELLER導入当時に、人気の高かった「韓国ドラマ」の話題作やWOWOW独自製作のドラマを放映が検討されました。担当者がTRUE TELLERで言葉の相関関係をマッピング・数値化することで、社内に説得力のある説明がなされ、それらの放映が決定したのです。

 また、同社は解約を希望する顧客の声をTRUE TELLERで分析しました。その結果、世代別・性別で特徴的な解約理由が挙がってきました。世代別で言えば、20代は、スポーツ、特にサッカー番組、40代~50代は映画に関する内容が解約理由に挙がってきました。また、男女別で言えば、例えば、多くの女性はお気に入りのアーティストの音楽番組が終了したことを理由に解約したいと申し出る傾向が分かったのです。そこで、WOWOWでは解約防止専門チームを発足し、解約したいと考えるユーザーにあわせた対応マニュアルを作成したのです。例えば、年配のユーザーが解約を希望してくれば、今後の映画の放映予定を案内するといった引止めを行なうといった具合です。これらの結果、年代別・世代別に対策を練った結果、WOWOWでは毎月20~30%の解約申し出を引き止めることに成功しました。

TRUE TELLERの単語ランキングやキーワード抽出を基に、商品別や顧客属性別に対策マニュアルを作成した

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