赤字はいつ脱出できる?
9日に公表されたドワンゴの中間決算説明書(PDFファイル)を見ると、3月におけるニコニコ動画の収入は約1億5000万円で、このうち3分の2にあたる1億円程度は有料会員の利用料で稼ぎ出していることが分かる。
中間決算説明書で気になるのは、この収益の柱である有料会員がこの2月、3月でそこまで伸びていない点。一方でコストは右肩上がりで、3月には2億5000万円を突破し、収入との差が開いてきている(ちなみに3月31日時点の登録ユーザー数は621万9000人、うち有料会員数は19万2000人)。
今回の提携で始まった、ニコニコ市場内のYahoo!ショッピングにも、アフィリエイトが適用されている。そうした有料会員以外の収入を伸ばすという意味で、Yahoo!との提携は重要な一手だ。
Yahoo!側も、ニコニコ市場での収益増を狙う。ヤフー(株)取締役COOの喜多埜裕明氏は、「Yahoo!ショッピングもアフィリエイトを始めて取り扱いが増えて、今では全体の25%くらいはアフィリエイト経由で売れている。これだけ人気のあるニコニコさんと組ませていただければ、もっと伸びるのでは」と期待をよせる。
今後、Yahoo!とニコニコ動画は、ニコニコ動画とYahoo!オークションの連携(オークションの商品を動画に貼り付けるなど)や、オーバチュアの検索連動型広告の導入など、新しいサービスを投入していく。ニコニコ動画の赤字がいつ解消するのか、その動向に注目だ。