アイデアを社員から吸い上げるときの工夫
また、山光さんはアイデアを社員から吸い上げるためには、“ハードルは低く”設定することが必要だとも言います。
「弊社のアイデア出しは『こんなことに不満』『こんなものが欲しい』という思いつき程度でOKということにしています。1人の頭で練り上げて企画書を作ったりするのでなく、簡単なものでいいのでアイデアを持ち寄り、後はみんなで考える。そうすることで、アイデアを発表しやすい場にしていますね。例えば、テレビの高さを上下できる『電動テレビスタンド』は、Wiiを買ったスタッフが『立ってプレーすることが多いけど、大人が立ってやるとテレビの高さが低いんだよね』というたあいない不満話から生まれたものなのです」
ハイスピードな商品開発のワケ
サンコーの商品開発は、前述のアイデア出しの後「試作」「商品化」へと進んでいきます。速いものでは1カ月、通常でも3カ月程度で商品として市場に出るそうです。このスピード開発にはヒミツがあると言います。
「商品化を速めるコツは、先にCGで大まかなデザインを作ってしまうことです。外見が決まると、利用シーンを想像しやすくなり、使うときに必要になる部分が自然と見えてきます。そうすれば、必要な機能や細部のデザインをつめやすくなるわけです。あと、そのCGを作る人は金型などある程度設定知識のある人が担当しているので、すぐに試作機の作成に取りかかれるようになっています」
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