現在でも、花粉症のシーズンには、目薬やマスクとそれに対応した薬品を置くといった試みは多くのスーパーでやっています。でも、毎年花粉対策用マスクを買っているお客さんに対し、空気清浄機や衣類用ブラシといった花粉対策グッズを春先にきちんと提案できれば喜ばれるでしょう。
実は、このような方法論は、従来でも存在しなかったわけではありません。得意先のニーズを先取りして商品を提案する、いわゆる昔の酒屋さんや米屋さんのような「御用聞き」スタイルの営業がそうです。さらにスーパーなど来店客数が多い現場でも、店舗によってはスゴ腕の売り場担当者の“現場の勘”によって優れた売り場の提案がなされていました。しかし、御用聞きは担当する顧客数が増えすぎると物理的な限界がありますし、人間の勘というものは外れるリスクも大きいものです。
神谷さんは「現代人は忙しいですし、有益なものも無駄なものも含めて情報があふれています。しかし、BIツールによって顧客の変化を正確に掴み、店舗側からより精度の高い情報を自動的に多くのお客さまにお届けできるようになるのです」と述べます。
消費者が自分で考えないでも必要なものが常にお店から提案され続ける、“究極の御用聞き”といった消費スタイルをBIは実現しようとしています。
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