おまけ…日本の空で再びゼロが飛んだ日
さて本特集の最後は1995年8月、茨城県龍ヶ崎飛行場に飛来した零式艦上戦闘機五二型、およびP-51Dムスタングの飛行写真だ。
ここで飛行している零戦は、米国のプレーンオブフェイム航空博物館が保有する機体で、オリジナルの零戦の中で唯一飛行可能な機体だ。この機体は1944年のサイパン陥落の際に米軍に鹵獲(ろかく)された機体で、戦後民間に払い下げられ、プレーンオフフェイム博物館スタッフの多大な努力のもと、再度飛行可能な状態にまで復元されたもの。その後何度か日本に里帰りしているが、筆者が撮影したのは1995年の際のものだ。
離陸する零戦。本機は中島飛行機製5367号機。実は零戦は三菱より中島飛行機の生産数の方が多い
エンジン始動!プロペラが回り始めた
零戦は離陸するとまず左脚を先に収納してから右脚を収納する
同じくデモフライトを行う米軍のP-51D戦闘機と編隊を組んだところ
斜め前方から。P-51Dは米陸軍航空隊が使用した機体で、1944年夏から戦線に投入された。多大な戦績を残した第二次世界大戦での優秀戦闘機と言われる
P-51Dを追撃する形になった零戦。無論デモフライトなので空砲などの発射はない
縦旋回中。エンジン排気での煤汚れがよくわかる
これも縦旋回中。よく見ると右脚収納カバーが半開きになっている
空冷式栄エンジン装備の零戦と、液冷式マーリンエンジン装備のP-51Dの機首形状の違いが面白い
戦中、P-51は機体形状から日本側で「カツオブシ」と呼ばれていたとか…
空冷の零戦と液冷のP-51の機体の特徴がよくわかる
斜め正面から。やはり零戦は細身の日本刀というイメージですかね
編隊飛行。ちなみにこのP-51Dムスタング(41-3334号機)も複数の機体の部品から作られたもの
着陸態勢に入り、フラップを下げたところ
フラップを下げて着陸滑走中
滑走路上で停止寸前
滑走路の端までいってターンして戻ってきたところ
デモフライト終了
機首部分。推力排気管が焼けていたり微妙に機体塗装が剥がれ地金が出ているのがわかるだろうか
尾翼部分。実際に飛行している零戦のツヤの出具合がわかる
脚部分。主脚の汚れ、三色塗装の沈み込み具合が見て取れる
なお、この零戦は現在も米国のエアショーで時たま飛行しているらしい。ぜひまた日本の空にその勇姿を示して欲しいものだ。