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激化する次世代燃料ウォーズを制するのは!? 第2回

水素とロータリーエンジンの基礎知識

2008年04月28日 00時00分更新

文● 真鍋裕行

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ロータリーエンジンと水素燃料のマッチングの良さ

 水素エンジンに話を戻しますと、ロータリーエンジンに水素が利用されるには理由があります。レシプロエンジンの燃料として水素を使用した場合は、水素の燃えやすさや燃焼速度が高いために、吸気から圧縮過程で水素と空気の混合気が高温のプラグや排気バルブに接触した際に、爆発が発生してしまいます。

 これは、適切な点火タイミングが取れずに、ノッキングバックファイヤという問題に繋がります。このため、水素混合率を極めて薄くする必要があり、ガソリンを使った場合と比較すると、パワーは半減してしまいます(水素ロータリーでもガソリンに比べてパワーは落ちますが)。

RE内部

ロータリーエンジンを構成するパーツ。部品点数の少なさから、いたってシンプルなエンジンだということがわかる

 しかし、ロータリーエンジンは構造上ローターハウジング内の低温の吸気室と高温の燃焼室が別々のため、吸気行程で水素が燃えてしまうという問題がクリアできるのです。これはロータリーエンジンの構造上の利点といえるでしょう。そのため、水素とロータリーエンジンは最高のマッチングを誇っているといえます。マツダはこの利点を利用して、水素ロータリーエンジンを次世代の内燃機関として生産していこうと研究・開発を行なっています。

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