ロータリーエンジンと水素燃料のマッチングの良さ
水素エンジンに話を戻しますと、ロータリーエンジンに水素が利用されるには理由があります。レシプロエンジンの燃料として水素を使用した場合は、水素の燃えやすさや燃焼速度が高いために、吸気から圧縮過程で水素と空気の混合気が高温のプラグや排気バルブに接触した際に、爆発が発生してしまいます。
これは、適切な点火タイミングが取れずに、ノッキングやバックファイヤという問題に繋がります。このため、水素混合率を極めて薄くする必要があり、ガソリンを使った場合と比較すると、パワーは半減してしまいます(水素ロータリーでもガソリンに比べてパワーは落ちますが)。
しかし、ロータリーエンジンは構造上ローターハウジング内の低温の吸気室と高温の燃焼室が別々のため、吸気行程で水素が燃えてしまうという問題がクリアできるのです。これはロータリーエンジンの構造上の利点といえるでしょう。そのため、水素とロータリーエンジンは最高のマッチングを誇っているといえます。マツダはこの利点を利用して、水素ロータリーエンジンを次世代の内燃機関として生産していこうと研究・開発を行なっています。
この連載の記事
-
最終回
デジタル
水素×ロータリーエンジンの来し方行く末 -
第5回
デジタル
水素製造の大手に聞く「燃料としての水素」 -
第4回
デジタル
開発者に聞く「もう水素ロータリーは実用化?」 -
第3回
デジタル
水ロタ車試乗 ハイドロジェンRX-8試乗インプレッション -
第1回
デジタル
激化する次世代燃料ウォーズを制するのは!? -
デジタル
激化する次世代燃料ウォーズを制するのは!? - この連載の一覧へ