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日の出を計算する世界初のテレビ――レグザ開発秘話

2008年04月30日 20時44分更新

文● 橋本 優/トレンド編集部、写真●小林 伸、パシャ

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スタジオでの検証風景

スタジオでの検証風景


スタジオ貸し切りの検証でさらなる機能追加

 今年の1月下旬、プロジェクトチームは一定の仕様を確立し、品川のとあるスタジオで最終検証を行なった。そこには映画の照明スタッフ数十名が集まり、映画のセットのような家庭のリビングを再現。そのなかで2日間を費やし、あらゆる環境光下でレグザの検証を行なった。

 壁の材質はもちろん、フローリング、畳、カーペットというように床も変更し、朝、昼、夜の光を再現。大がかりに検証を実施した。

昼の環境光(左)と夜の環境光(右)を再現して、画質を検証した

 その結果は……残念なことに満足のいくものではなかったという。特に、スタジオ検証で一番気になったのは「壁の色」だという。

 「(蛍光灯と自然光では色温度が異なるが)夜になったから壁が赤くなった、とは見ている人は思わないわけです。つまり、人の目はオートホワイトバランスをしているんですね。でもテレビは自発光しているので、赤い壁の中でも白い光を出し続ける。で、色が違う、ということになります」(本村氏)

 そこで、時間によって色温度を変える必要があると判断したものの、ひとつの問題に直面する。それは照明をつける時間は季節によって異なる、ということだ。この結果、テレビとしては世界で初めて搭載されたのが「日の出、日の入り計算」機能である。

 デジタル放送対応のテレビは、通常初期セットアップ時に現在位置(郵便番号)を入力する設定が盛り込まれている。レグザはこの情報を利用し、設定した地域の日の出、日の入り時間を内蔵のカレンダーで算出し、おまかせモードに反映する。

 これにより、朝でも昼でも夜でも、人の目から見て「最適な」映像を再現するテレビが誕生したのである。

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