スタジオ貸し切りの検証でさらなる機能追加
今年の1月下旬、プロジェクトチームは一定の仕様を確立し、品川のとあるスタジオで最終検証を行なった。そこには映画の照明スタッフ数十名が集まり、映画のセットのような家庭のリビングを再現。そのなかで2日間を費やし、あらゆる環境光下でレグザの検証を行なった。
壁の材質はもちろん、フローリング、畳、カーペットというように床も変更し、朝、昼、夜の光を再現。大がかりに検証を実施した。
その結果は……残念なことに満足のいくものではなかったという。特に、スタジオ検証で一番気になったのは「壁の色」だという。
「(蛍光灯と自然光では色温度が異なるが)夜になったから壁が赤くなった、とは見ている人は思わないわけです。つまり、人の目はオートホワイトバランスをしているんですね。でもテレビは自発光しているので、赤い壁の中でも白い光を出し続ける。で、色が違う、ということになります」(本村氏)
そこで、時間によって色温度を変える必要があると判断したものの、ひとつの問題に直面する。それは照明をつける時間は季節によって異なる、ということだ。この結果、テレビとしては世界で初めて搭載されたのが「日の出、日の入り計算」機能である。
デジタル放送対応のテレビは、通常初期セットアップ時に現在位置(郵便番号)を入力する設定が盛り込まれている。レグザはこの情報を利用し、設定した地域の日の出、日の入り時間を内蔵のカレンダーで算出し、おまかせモードに反映する。
これにより、朝でも昼でも夜でも、人の目から見て「最適な」映像を再現するテレビが誕生したのである。