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A4インクジェット複合機

レビュー:PIXUS MX850

2008年05月08日 17時30分更新

文● 柴田文彦

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合理的なインク設計で高速&高画質を実現


 インクは全色顔料系なので、文書印刷の品質は極めて良好だ。

 黒文字印刷に最適な顔料系黒インクを採用しており、普通紙での黒文字品質は極めて良好。濃度がレーザープリンター並みに高く、飛び散りもほとんど見られない。輪郭もシャープで、細かい部分まで形状を正確に再現している。専用紙に印刷した写真の画質も、高いコントラストと優れた階調性を実現。染料系4色インクと最高解像度9600×2400dpi、1plの最小インク滴量により、フォトモデルかと思うほどの写真画質を誇る。

PIXUS MX850

9600×2400dpiの解像度と顔料系黒インクにより、普通紙での黒文字品質はレーザープリンターに匹敵する。9ポイントの小さな文字でも、フォントの違いまで認識できる。写真は原寸スキャンしたデータを400%で拡大したものだ

専用紙に印刷した写真品質は、4色インクながらドットが小さく粒状感も肉眼ではほとんど気にならない。ただし、色調の再現がやや薄く仕上がっている印象だ。右は、左の写真を原寸スキャンしたデータ(72dpi)を400%で拡大したもの

 一方、印刷速度も他社の複合機を上回る実力を発揮した。A4フルサイズの写真を「Adobe Photoshop Elements 6.0」で出力する際に要した時間は42秒、カラー図版を含む30ページのPDF文書をプレビュー経由で印刷した結果は、6分53秒だった。特に前者は、このクラスのインクジェット複合機では驚異的な速さだ。なお、本機は印刷中に不定期でヘッドクリーニングを実行するため、速度には多少のばらつきが出る。


【Conclusion】
○  染料系と顔料系の合計5種類のインクに加えて、印刷解像度は最上位のフォト機に並ぶ9600dpi。さまざまなドキュメントを高い品質で印刷できる。

×  フィルムのスキャン機能を搭載していない点は残念。液晶モニターのサイズが小さく、写真の細部の編集や確認にはあまり向いていない。

(MacPeople 2008年6月号より転載)


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