このページの本文へ

長~く使える極上のPCケース 第4回

[特集]We Love Case! こだわるから楽しいんだ

長~く使える極上のPCケース【アンテック編】

2008年05月01日 14時46分更新

文● 加藤 勝明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

P190(続き)

背面を内部から

ケース内部の背面側。内部にプラーンと下がっているのは、各冷却ファンの電源ケーブル。サーマルティク製のケースもそうだったが、ファンの電源ケーブルをどう処理するかが組み立て時のポイントになるだろう。ところで、天井部から伸びているひときわ太いチューブは何だろう……?

LEDライト

これはケース内を照らすLEDライト。ケース内のライトアップ目的ではなく、あくまでケースを開けた時の目視チェックのためのもの。電源は汎用4ピンまたはUSB用のヘッダピンから取得するので、正直あまり使い勝手はよくない。スタンバイ電源等で直接光るのならば面白いのだが……

天井部分を裏から

ケース内側の排気用ファン。マザーの入るスペースの天井部分のほとんどがファンで占められているが、これはデュアルCPUマザーでの利用を考えたものだろう。どこに熱源体があっても最短距離でケース外に熱気を排出する仕組みだ

背面のスイッチ

排気用ファンの速度調節は背面最上部にあるこの3つのスイッチで個別に行なう。風量は背面12cmが79/56/39CFM、20cmが134/108/82CFM(それぞれハイ・ミドル・ロー)となっている。ローに設定した際のノイズはおよそ25dB程度だ

背面

最近のケースには珍しく(とはいっても電源メーカーでもある同社製ケースではさほど珍しくもないのだが)、P190は専用の電源ユニットがセットになっている。デュアル電源仕様である以外は背面の構成は至って普通だ

電源ユニット部分

搭載されている電源ユニットはアンテック製の650W(左)および550W電源(右)。650Wの方はマザーやビデオカードなどへの電源供給を行なうものだが、550Wの方は汎用4ピンおよびSATA用のコネクタのみを備える特殊なもの

550W電源

P190におけるこの550W電源はメインパワーコネクターを備えていないが、650Wの方とは連動して動作する。SATAや汎用4ピンのケーブルをモジュラーケーブルを使って適宜増やすことも可能だ。出力は+12V1/V2/V3それぞれ18Aと太いので、変換アダプターを使うことを厭わなければGeForce 9800 GX2クラスでも十分カバーできそうだ

電源ベイ

シャドウベイの入るスペースと電源ユニットの間には仕切りがあるが、そこに吸気用のファンが設置されている。ファンをフロント近くではなく中間に設置することで、下部チェンバーそのものをファンノイズのサイレンサー代わりにしようという発想だ

シャドウベイ

シャドウベイは上部に2台、下部に4台のHDDを装着可能だ。ベイ自体は厚手(1mm)のスチールで製造されており、HDDの熱を散らす効果も高い。さらにベイ自体にシリコン製のグロメットを仕込むことで振動の吸収効果も付与している

フロント吸気ファン

標準構成時のP190には、上部吸気口の裏に吸気ファンは搭載されておらず、オプション扱いになっている。高発熱のグラフィックボードを使う場合は、上部シャドウベイの裏のスペースに12cmファンを設置するか、または上部シャドウベイに直接ファンを固定することで冷却力を上げられる

ケース底部にはシリコンゴム製の足が標準装備。フローリングの床に直接置いても床を傷つけにくい

完成

ケースファンのケーブルの処理がややこしいが、メインパワーケーブルをマザーの裏側に回して配線するため、内部は比較的スッキリとしている。標準状態のファンでは吸気、特にビデオカード付近の気流が弱めなのでGeForce 8800GTクラスのものを使うなら別途ファンを追加する必要があるだろう

ハイエンドパーツを集めたメインマシンに最適

 ハイエンドマシンの定義は人によってさまざまだろう。エクストリームなオーバークロックに耐えるマシンかもしれないし、SLI環境を使った究極のゲーミングマシンかもしれない。もしくはハードウェアRAIDボードを追加して特盛りストレージマシンになるかもしれない。
 デカいケースというのは基本的にどんな方向にでも対応しやすくなるものだが、この「P190」だけは例外といえる。いや、マザーはExtended ATX対応だし電源ユニットは合計1200Wだからハイエンドパーツも怖くない。ただ、シャドウベイが2+4つと分割されている上に、ファンの設置パターンによっては上部の2つは使えなくなる。HDDをしこたま仕込んで運用するのがやりにくいなぁという感は禁じ得ない。ストレージを超強化するマシンにはやや不向きなのだ。
 むしろP190は「どんなパーツを使っても心地よく使える」点にフォーカスされている。ファンの設置パターンや稼働状況にもよるが、Nine Hundredと正反対の“音を漏らさない”設計であるため動作音は極めて快適だ。ハイエンドパーツを使って常用するマシンを組みたい場合にこそ、このP190は光り輝くことができるだろう。
 最後に1つ注意。ケース自体重く(電源ユニットの重さも倍だ)、パーツを組み込んだ後の重量は結構クるものがある。筆者のように設置時に腰をグキッとしないよう、十分注意されたい……。

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中