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鍵でこすっても傷付かないコンデジ――サイバーショット「DSC-W300」

2008年04月23日 15時00分更新

文● 行正和義

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ノイズリダクションやカラーのユーザー選択は画期的


【撮影サンプル1】さすがに高画素機だけあって等倍表示にしてもかなり細かな部分まで描写されるが、ハイライトの輪郭部分に着色が見られるのは気になるところ。広角側で撮影、プログラムオート、1/500秒、F5.6、ISO 80

【撮影サンプル2】ダイナミックレンジ拡張により、逆光などのシーンで暗部がつぶれにくいのはかなり使いやすい。Dレンジオプティマイザー“標準”で撮影。とくに処理に時間がかかるわけではないので、常時ONにしておいてもよいだろう。プログラムオート、1/80秒、F5.5、ISO 80

【撮影サンプル3】Dレンジオプティマイザープラスを使えば撮影後の処理に3~4秒程度かかってしまうものの、うまく暗部を引き上げてダイナミックレンジを擬似的に広げ、暗部のつぶれを少なくする。シャッター速度が若干異なるため撮影サンプル8と同条件ではないものの、使ってみると効果は分かりやすい。プログラムオート、1/60秒、F5.5、ISO 80

 撮影画像に関しては、1350万画素、4224×3168ドットという高画素数の画像データはさすがに見応えがあり、等倍表示で確認するとかなり細かなディテールも描写しようとしている。とはいえ、やはりコンパクト機のレンズの限界なのか望遠時には描写が甘く、広角時には周辺部で色ズレが起きるなどやや気になるところもあるのはW200と同様だ。

 機能的な面では主に最近のサイバーショットシリーズと同様であるが、スマイルシャッターやワイドダイナミックレンジ撮影など、いずれも機能的にかなりこなれてきた印象だ。新機能の中ではでノイズリダクションの強弱、カラーモードをユーザーが好みの画質を選べるというのは非常に面白い。

  デジタルカメラの場合、撮像素子の画素数・特性やレンズ性能などに加えて、画像処理による発色(色作り)や輪郭強調、平板な部分の平滑化処理といった面は撮影画像を大きく左右するものだ。もちろん個々の設定を変更できるシャープネスや彩度の強度を変更する設定は本機にも従来のサイバーショットにもあるが、ノイズリダクション強度を指定できるデジタルカメラ製品はいままであまりなかった(もちろんRAWで撮れるカメラは現像段階で強度指定が可能なのだが)。

 ここしばらく、“なにも設定せずにオートで撮れば十分きれい”というのが流行だったコンパクトデジタルカメラだが、発色や画像の平滑性、輪郭強調といった絵作りはメーカー独自のもので、ユーザーがそれを意識することは少なかった。要するにメーカーが「この色ならば見栄えがするだろう」という基準をユーザーがそのまま受け入れざるを得なかったわけだ。今回のような「ユーザーが絵作りを選べる」という方向性は歓迎したい。

 本機は特に目を惹くようなユニークな機能を持つわけではないが、画素数はサイバーショットコンパクト機の中では最高レベル、且つ、ここ1~2年のサイバーショットシリーズに搭載された機能がほぼすべて盛り込まれたかなり強力なモデルだ。さらに、チタンコーティングボディーなど、高級感あふれる外装を採用することで、サイバーショットコンパクトのフラッグシップらしい風格の1台に仕上がっている。



サイバーショット「DSC-W300」の主なスペック
製品名 サイバーショット「DSC-W300」
撮像素子 1/1.7インチ有効1360万画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=7.6~22.8mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm)、F2.8~5.5
静止画撮影 最大4224×3168ドット
ISO感度 オート、ISO 80/100/200/400/800/1600/3200、6400(300万画素相当記録)
動画撮影 640×480ドット、30fps、MPEG1
液晶ディスプレー 2.7インチTFT、23万画素
記録メディア 内蔵15MBメモリー、メモリースティックDuo/PRO Duo/PRO-HG Duo
インターフェース マルチ端子(AV出力、USB)、DC入力(ACアダプター別売り)
電源 専用リチウムイオン充電池
撮影可能枚数 約300枚
本体サイズ 幅94.3×奥行き26.8×高さ59.0mm
重さ 約156g(本体のみ)/約187g(装備重量)


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