このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第50回

おもちゃで遊ぶ猫――室内編

2008年04月23日 00時00分更新

文● 猫写真家 荻窪圭

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ジャンプ猫を撮るのは意外と難しい


 うちの猫が若い頃、一番喜んでたのは「釣り竿タイプ」のネコジャラシ。何しろジャンプしまくりである。「これは撮らねばなるまい」ってんでいろいろ挑戦したが、とにかく難しい。

 難点は3つある。ひとつは、左手で遊びつつ右手で撮らねばならないこと。さすがにこれは無茶。

 2番目はピント。動き回るので、普通に撮っては絶対にピントが間に合わない。十中八九、背景にピントが合っちゃう。それはもうあらかじめ、ほぼ同じ距離の被写体でピントを合わせてAFロックをし(シャッターを半押しにした状態にしておく)、タイミングを見計らって撮るしかない。

 3番目はシャッタースピード。とにかく室内で動き回る猫が相手なので、よほどシャッタースピードを上げないとブレまくる。でも室内で暗いのでISO感度をかなり上げてもシャッタースピードが足りない。部屋の電気をすべてつけて少しでも明るくして撮るべし。

 この3つにどう立ち向かうか。まずは妻にオモチャを持ってもらい、デジタル一眼レフで撮ったものをどうぞ。

おもちゃに向かって大ジャンプ

大ジャンプしてオモチャにとびついた瞬間をゲット! ベランダの洗濯物とかはスルーしてください。ISO感度は640で1/250秒(2004年3月撮影 ニコン「D70」)

 シャッタースピードは1/250秒で、なんとかジャンプ写真をゲット。

 では、家に一人しかいなくてコンパクトデジカメしかないときはどうするか。実はあまりに「遊べ」とうるさいので、リビングのドアにオモチャをかけちゃったのである。そしたらひとりで遊んでくれました。こちらは撮るのに専念できてうれしい。

ジャンプ撮影、失敗

ドアにぶら下がってるオモチャに向かってジャンプ。でも思いきりぶれてる。 (2005年4月撮影 富士フイルム「FinePix F10」)

 ISO1600まで上げても1/50秒。これではジャンプした動きは止められない。だがしかし、決定的な瞬間があったのである。

ガラスに張り付いた一瞬をゲット!

飛び上がって「ピタッ」とガラスに張り付いた一瞬をゲット! (2005年4月撮影 富士フイルム[FinePix F10])

 なんと、ちょうどジャンプした頂点、しかもガラスに肉球で張り付いた瞬間を捉えることに成功したのだ。

 実はひもの先についてるオモチャはドアの向こう側である。うちの猫はそれに気づかずガラスに向かって飛んでたのだ。ああ、ごくろうさま。でもあまりに面白いのでここでさらしちゃいます。ご笑納ください。

 このように、動いた瞬間ではなく、激しい動きの中で、ピタッと止まる瞬間を狙って(特に顔が止まっていれば、ほかはブレててもOK)たくさん撮ってみるべし。

 次回はオモチャで遊ぶ「屋外編」をお送りする予定。


筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。



*次回は4月30日掲載予定

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン