規制緩和では、あるんですが……
このようになかなか使い勝手のいいものに仕上がっているGV-MVP/HSだが、若干注意しなければならない部分もある。これは、技術や企画の問題と言うよりは規制の問題なので、いかんともしがたいところだ。
例えば、ハイビジョンで映像を視聴するためには、HDCP対応のDVI端子かHDMI端子を備えたビデオカードとディスプレーを用意しなければならない。アナログ入力しか持っていないディスプレーでは52万画素(フルHDのほぼ1/4)の解像度でしか出力できない。アナログ出力時にはさらに制約があり、PCI Expressに差したビデオカードからは映像が出力されない。これらの端子のないディスプレーと接続する場合は、Intel G965などオンボードのビデオチップから出力しなければならない。
また、mAgic TV関連のアプリケーションが起動している際はスクリーンキャプチャーもロックされてしまう。さらにサイズ的にはコンパクトなカードだが、B-CASカードを抜き差ししなければならないという仕様のためロープロファイル化ができていない。ダビング10にも未対応だ。
訂正とお詫び:掲載時、DVIの著作権保護技術「HDCP」を「DHCP」と記述している箇所がありました。「DHCPとHDCPは違います」。訂正してお詫びいたします。ご指摘いただきました読者の皆様ありがとうございました。
そうはいってもこれまで高価なメーカー製パソコンを買うぐらいしかなかった地上デジタル放送を自作パソコンで視聴できるという魅力には変えがたいものがある。価格に関しては未公開だが、2万円台と割合安価な水準になるという観測もある。
いずれにしてもGV-MVP/HSで、低価格地デジパソコン自作という道が拓けたのは確か。その点のインパクトが大きいのは確かだろう。
