自作パソコン市場にもようやく規制緩和が訪れた。Dpaが4月8日に発表した「PC用デジタル放送チューナのガイドライン」によって、ようやく地上デジタル放送対応のテレビチューナーカードの販売が可能になったのだ。
同日アイ・オー・データ機器から開発表明がなされた「GV-MVP/HS」(関連記事)は、すでにネット上で大きな話題を集めている。ここでは最終的な調整に入っている試作機を使って、同製品のレビュー記事をお届けしよう。
あっけないほどシンプルなカード構成
GV-MVP/HSは、非常にシンプルな構成。ブラケット部分に備えられたインターフェースはアンテナ接続用のF型コネクターとB-CASカードスロットのみ。
F型コネクターから入った放送の信号は、シールドされたこれまたコンパクトなチューナーチップ、独NXP社の映像処理用LSIなどを経由して、PCI Express X1スロットに流れていく。B-CASカードスロットは別基板で用意。メーカー製の地デジパソコンでは2スロットを占有する場合が多いが、1スロットの占有で済むよう工夫されている。
基板上のサイズは非常にコンパクトなため、さらなる十分小型化が可能に思えるが、その場合はB-CASカードのスロットをどこに置くかが問題になるという。なお、PCI Express以外にも、USBやPCI対応の製品も検討している。リリースはそれほど遠くはなく、PCI-E搭載の最初の製品は4月~5月にかけて、それ以外の製品もオリンピック前には出てくるのではないかと予想する。
消費電力の低さも特徴だ。GV-MVP/RX3より30%低い5.24Wで動作する。デコード時には「Super Live Creationエンジン」で軽負荷で滑らかな動きが実現できるという。