「しらせ」のブリッジは運動会ができるくらい広い!
まず、「しらせ」の主要部を見ていこう。まずはブリッジ周辺だ。ブリッジは、艦の横幅一杯に広がった構造を持っている。これは通常の艦艇であれば、艦橋の両舷に露天のウィング(見張り用デッキ)が備えられており、そこで要員が交代で見張りを行うが、酷寒の南極海域ではどんなに鍛えられた自衛隊員でも長時間見張りを行なうことこそ至難の業だ。そこでブリッジ自体を左右に広げ、暖房の効いた艦内から見張りを行うのだ。
横幅の広いブリッジ。艦の最大幅が28メートルなので、そのくらいの横幅はあるということだ
赤いカバーを掛けられた艦長席
「しらせ」が荒れる南極海で傾いた角度を記したポスター。なんと左53度、右41度だそうだ。ちなみに竣工時には左右90度まで傾いても復元するように設計されていたそうだ
ブリッジから見た晴海埠頭
艦長公室。「しらせ」は日本政府のフネとして海外に赴くわけで、外国政府の要人などが来艦しした場合にはここで応接することになる
オーストラリアの南極観測船「オーロラオーストリアス」を救難した際に贈呈された感謝の記念プレート
なお、ブリッジの後方には上部操舵所がある。今回は特別にこの上部操舵所を取材することができた。
上部操舵所はラッタルでしか上がれない。エレベータなどという文明の利器は備えられていないのだな。ちなみにしばらく運動不足だったせいでこのあと足は吊るは、筋肉痛になるはで大変でした
上部操舵所の外観。かなり高い位置に設けられているので高所恐怖症の人にはお勧めできない
上部操舵所内部。かなり狭く男性3人も入れば一杯だ
上部操舵所からの眺め
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