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画質で見る「E-420」──最強お散歩カメラはAWBも進化

2008年04月18日 14時09分更新

文● 斉藤博貴

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パンケーキに注目が集まりがちだが……


 レンズキットに付属する標準ズーム「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」。パンケーキレンズ使用中は「ごめん。このレンズいらないかも」と考えていたが、実際に使い始めると、まともな思考がよみがえってきた。

作例

白とびするかと思った桜の花びらもピンク色や空の青さが残っているなど、被写体の情報のふんばりがいい。解像度的にも1000万画素の性能をボチボチ引き出せているのではないかと思う

作例

F10まで絞ってみると被写界深度が深くなるのがいい。一般的なデジタル一眼レフでは絞るとゴミ問題が気になるが、フォーサーズならその心配はほぼない。白い花びらの陰影までしっかりと描写されているなど、カメラ側のラチチュード的な性能の向上も感じられる

 確かにルックスやフィーリングではパンケーキレンズに適わない。しかし、35mm判換算で28~84mmの画角は表現重視の撮影には不可欠だった。パンケーキレンズを使っていると、催眠術にかかったように機材重視の撮影になってしまう。オリンパスがパンケーキレンズ+E-420のセット販売をしないのは正しい……のかも。

 描写はレンズセット用製品としては優秀。ディストーションはある程度覚悟しなければならないが、シャープさという点では「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5」よりも優秀ではないかと思う。



望遠をコンパクトに持ち運べる40-150mm F4.0-5.6


 今度はダブルズームキットに付属する望遠ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6」に付け替えた。オレンジ色の201系電車の写真は三脚がないので、もちろんうんこ座りによる手持ち撮影だ。通常のシングルAFとAWBで撮影してしまったが結果は上々。オリンパスが言うとおり、AWBも向上しているようだ。

拡大してみると架線柱の管理番号まで読みとれる解像度を誇る。一般的な「Wズームレンズセット用レンズ」とは一線を画す。またフォーサーズらしい深い被写界深度も鉄道撮影向き

撮影距離限界まで近づいたマクロ撮影ながら、桜の花の雄しべと雌しべにバッチリとピントがあっているので、E-420のAFとも相性がいいようだ。前ボケも後ろボケもキレイ。フォーサーズはボケないというのは都市伝説に過ぎないらしい

このレンズはマクロ撮影が得意なレンズ。撮影距離限界まで近づいたマクロ撮影。ツツジの花びらやガクや葉の細部の産毛まで解像しながら、被写界深度外はキレイにボケだ

軽いレンズと軽いカメラは最高のお散歩セット。「借景」したくなったので、公園を散策中に出会った風景をスナップして部屋に飾っている。背景の光点には収差が見られるが気になるレベルではない

散歩の途中に菜の花の香りにつられて撮影。菜の花の花粉やハナアブの羽根まで細部が記録されている。昆虫のように近寄りづらい被写体には最短撮影距離が短いこのレンズはとても便利

菜の花をシャープに描写するためにやや絞ったら、背景のボケは少し固くなった。フットワークが鈍くなる大きなサイズの望遠レンズでは撮るのが面倒になる思いつきの構図の写真でも、このレンズなら気軽に撮れる。結果、撮影枚数がついつい増えてしまう

光学ファインダーで監視していたアオヤギが飛翔の気配を見せたので、シャッター速度が上がるように感度をISO 400に設定して撮った。幸運のおかげか頭部と瞳にピントが合っている。難しい被写体でも試しに撮影してみる気にさせてくれるこのレンズに感謝

 旧OM用ZUIKO 75-150mm F4の面影を感じさせる超コンパクトレンズで、パンケーキレンズ同様に取り回しが楽なので、標準レンズの気軽さで望遠撮影を楽しめた。望遠マクロが得意なレンズで、この値段でこの画質なら納得できる。

 なお、校正中に、オリンパスよりZUIKO DIGITAL ED 14-42mmと同40-150mmの最新ファームウェア(Ver1.2)、同25mm F2.8(Ver1.1)を発表したとの連絡が入った。パナソニックのLUMIX DMC-L10へ装着した場合のイメージャAF撮影時の合焦精度が改善されるそうだ。すでに購入されている方は、オリンパスホームページでご確認願いたい(関連ページ)。

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