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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情 第5回

[特集] 自作PC中級者が“知ったか”はハズいぜ!【Vol.5】

アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【電源/ケース編】

2008年04月11日 23時59分更新

文● 加藤 勝明

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電源ユニットの“今どき”とは?

 ここまできて初めて電源ユニットの“今どき”をたたき込む素地ができたことになる。では早速チェックしてみよう。

(1) ATX ver2.2 & SSI-EPS12V規格が主流に
 PC、特に自作系の電源ユニットは「ATX」規格のものが長年使われている。このATXも微妙にマイナーチェンジを重ねており、現在の主流規格はバージョン2.2にまで上げ、実際の製品ではさらに「SSI-EPS12V」と呼ばれる規格をミックスしたものが主流となっている。各バージョンにおける変更点は細かくなりすぎるため割愛するが、現在主流になっているATX ver2.2 & SSI-EPS12V電源の特長はこの2つだ。

  • メインパワーコネクターは20ピンまたは24ピンが選択可能
  • マザーの補助電源コネクターは4ピンのATX12Vか、8ピンのSSI-EPS12Vコネクターが利用可能

 旧世代のATX電源ユニットでも最新マザーには装着でき、さらに変換アダプター等を適宜使えば動作させることも不可能ではない。ただ最新のATX ver2.2 & SSI-EPS12V準拠の電源を使っておけば各出力ラインの容量やコネクター形状の面で“より安心”して使えるということだ。

パワーコネクター

メインパワーコネクターは24ピン(20ピン+4ピン)、マザーの補助電源コネクターは4ピン、SSI-EPS12Vコネクターは8ピン。全部そろっていれば完璧!

(2) 静音電源があたりまえに!
 なぜ、電源ユニットだけでショップの1コーナーを占拠しているのかといえば、今の電源は静音性を備えていることが標準化したためだ。ちょっと古いPCの電源ユニットは、とにかくファンをブンブン回すしか能がないが、今の電源ユニットは大口径ファンを使い、温度センサーと連動させて静かに運用できることを売りにしている。特に今のPCが騒々しくてかなわん、というのであればCPUと一緒に電源ユニットも交換すると劇的に改善されることが多い。

Q静

5方向吸気口デザインを採用したThermaltake製静音電源ユニット「Q静」。製品名からして静音をウリにしているのがわかる

AS Power Silentist

Gigabyte製の「ODIN GT_550W」は、Windows上からファンの回転数や、+12V/+5V/+3.3V各ラインの電力調整などが行なえるユニークな製品だ

(3) ケーブル着脱機構
 電源ユニットでもう1つ大事なのは「コネクターの種類と数」だ。Serial ATA接続のHDDや光学ドライブが主流になっている点を受け、電源ユニット側でも従来の平形4ピンのほかにSerial ATAコネクターを装備するものが標準化された。さらにPCI-Express世代のビデオカードは、6ピンまたは8ピンの補助電源コネクターを使うものが増えたため、同コネクターへの対応も重要になる。
 だが、こう電源コネクターの種類が増えると、当然使わないコネクター(ケーブル)が邪魔になる。そこで今の電源ユニットでは、ケーブル自体にメッシュを巻いて(ノイズ防止という意味もある)取り回しを容易にするほかに、ケーブル自体を着脱可能にしてスッキリと組めるようにした製品が増えてきた。不要なケーブルはケース内換気を妨げるだけに、着脱式ケーブルは狙い目中の狙い目だ。

着脱式ケーブルを採用した電源。不要なケーブルを取り外せるため、ケース内がスッキリするだけでなく、エアフローも改善される

(4) 高効率変換「80Plus」に注目
 先にも解説した通り、電源ユニットはAC100Vからさまざまな電源ラインに変換する。その際ある程度のエネルギーは熱となって無駄に消費されてしまうのだが、最近のエコブームは電源ユニットにも高効率を求めるようになった。その指標の1つが「80Plus」の存在だ。
 これはエネルギー変換効率が80%以上の電源ユニットにのみ付けることが許される。つまり同じ出力をするのに必要な電気代も少なくて済み、さらに発熱も低めという非常にオイシイ規格なのだ。ただ、80Plusのロゴがないからといってダメ電源ユニットという訳ではない。80Plusはあくまでエコという観点から見た場合の価値感であって、それ以上のものではないのだ。
 このトレンドをおさえておけば、今の電源ユニット選びは大して困らないはず。価格もピンキリでネットでの評価もさまざま。それでも迷ったらショップの店員さんにオススメをいくつか選んでもらうのがよいだろう。

「80Plus」認証済みの製品にはロゴマークが貼られている

(次ページへ続く)

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