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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情 第4回

[特集] 自作PC中級者が“知ったか”はハズいぜ!【Vol.4】

アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【メモリ/HDD編】

2008年04月10日 23時59分更新

文● 加藤 勝明

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HDDの買い替えを奨める2つの理由

 では次にHDDの“今どき”はどうなっているのだろうか? 今ショップへ行くと1台で1TB、すなわち1000GBモデルが普通に売られている。500GBモデルに至っては1万円以下で買えてしまう。メモリー搭載量のスタンダードも数年前から較べると増えているが、HDD容量のインフレ具合に較べればまだまだカワイイものだ。

IDE

IDE規格のHDD

Serial ATA

Serial ATA規格のHDD

 容量がバカみたいに増えた一方で、HDDの規格はそれほど進化していない。せいぜいIDE(パラレルATA)がSerial ATA IIに置換されてはいるものの、依然として両方の規格の製品が供給されている(ただしIDE版は確実に縮小傾向にある)。このため、HDDは比較的使い回しのしやすいパーツになっている……のだが、CPUと一緒に最新チップセットを使ったマザーに交換してしまうなら、HDDもついでに交換してしまった方がよいのだ。また、買い替えを奨める理由はほかにもこんなものがある。

(1) 転送性能が上がっている
 ここで言う転送速度とは、HDDのインターフェースの進化によるものよりも、HDD内部に格納されたプラッター(ディスク)容量の増加による性能向上のほうだ。
 インターフェースの方は、Pentium 4全盛期(945P/965Pチップセットの時代)におけるATA/100からSerial ATA 150、そして現在のSerial ATA IIに移り、インターフェース自体の転送性能は格段に進歩した。Serial ATA IIでは理論上毎秒300MBまで転送できるとされているが、実際にはHDDが読み書きできるデータ量はそれよりもはるかに下になっており、1世代前のSerial ATA 150とSerial ATA IIに大きな性能差はない。

HDDの内部

HDDの内部。銀色の円盤がプラッター

 しかし、最近の大容量HDDでは、プラッター容量が1枚あたり250GBに到達し、320GBのものも出現し始めた。プラッター容量が増えれば、データを読み出すヘッドがわずかな動きだけで目的のデータにすぐ到達できるので性能が上がるというカラクリだ。さらに大容量モデルの場合、キャッシュ(バッファー)メモリーも多く搭載されるため、さらに快適度は上がる。同じ250GBモデルでも、2年前の製品よりも最新型の方がずっと快適なのだ。

面記録密度

面記録密度は線記録密度(BPI)とトラック密度(TPI)の積で求められる。プラッタの記録密度を向上させるにはBPIをあげる方法とTPIを上げる方法があり、TPIのみの向上は速度向上につながらない。なお、この図はイメージ図であり、実際のHDDの構造とは異なっている(外周と内周での1セクタのサイズは同じ=512Bytes)

(2) マザー側のコネクターの問題
 最新マザー、特にインテル製のチップセットを使ったマザーでは、今やIDE接続のHDDは非常に使いにくくなっている。それはインテル製チップセットからはIDEコントローラーが削除されたため、マザーメーカー側が別途チップを搭載することでIDEコネクターを1つ設置するようになったためだ。1つしかないIDEコネクターを光学ドライブ(DVDドライブ等)用として使うことを考えたら、事実上HDDはSerial ATAが標準になった、と考えても差し支えないだろう。IDEをSerial ATAに変換するアダプターもあるが、転送速度面からいってわざわざアダプターを使うメリットは少ない。

最近のインテル製マザーにはIDEコネクターが搭載されていない

数千円で保険をかける

 HDDが大容量になれば、毎日TVを高画質で録画しまくっても、重たいファイルをダウンロードしまくっても残量を気にせずバンバン使える。だが同時に「HDDが飛んだ時」のリスクも高まるということを忘れてはならない。バックアップという最善手があるが、ギガバイトクラスのバックアップは大変だ。
 そこでオススメしたいのが、同容量のHDDを2台購入し、「RAID 1」として運用するという方法だ。同データが常に2台のHDDに記録されるので、万が一片方が故障しても片方のデータは残る。例えば500GBのHDDなら、8千円前後の追加で簡単な保険がかけられる、と思ってもいいだろう(もちろん、古典的なバックアップに勝る保険はないのだが……)。
 RAID 1を使うには、インテル系ならICH8RやICH9Rといった型番の末尾に「R」が付いたサウスブリッジを搭載したマザーが必要で、AMD系ならほぼ全てのチップセットにRAID機能が搭載されている。腕試しのつもりで挑戦してみるのも悪くない。

RAIDカード

マザーボードがRAIDをサポートしていない場合は、各社から発売されているRAIDカードを別途用意する必要がある。だが、バックアップソフトを買うより出費がかさむ可能性大なので、マザーボードにRAID機能が搭載されていればチャレンジする程度の考えのほうがいいだろう

(次ページへ続く)

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