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山谷剛史の「中国IT小話」 第25回

Atom効果で、中国のモバイルは活性化するか?

2008年04月09日 20時17分更新

文● 山谷剛史

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モバイルをするには回線速度も不十分


 もちろんメールの利用者も億単位と少なくないが、しかし携帯電話で気軽にメールが受信できる日本とは異なり、中国ではパソコンやPDAなどでしかメールを受信できない。そこで外出先では、ミニノートよりも価格が安くて、電池の持ちも良く、携帯性にも優れ、音声通話の機能も持つスマートフォンが人気となる。現にビジネス街やバスの中で、ビジネスマンと思える外見の人はスマートフォンを所持している。

 中国の通信環境はまだまだ日本とはかなりの差がある。

 携帯電話は2Gでメール受信は1MB超の添付ファイルがついた日にはとても受信できないし、中国のポータルサイトはFlashを使った広告をたくさん掲載し、さらにテキストデータも画面にびっしりと詰める密なものなので、ウェブの閲覧もスマートフォンでは現状かなり厳しい。

 一方速度面で優位の公衆無線LANサービスだが、これもまた十分にあるとは言い難い。それなりの規模の都市であれば、中国電信(日本でいえばNTT)の営業所、5つ星ホテル、空港などに無線LANスポットがある。大都市であれば、著名なビルにもあるだろう。

 とはいえ、さほど大きくない都市に滞在する筆者ですら、知らない人がこの都市に来て無線LANスポットを探すのはかなり無理がある、と思えるのだ。中国メディアの第一財経日報は「無線LAN網が中国では十分にないため、中国の消費者はCentrinoテクノロジーの全て恩恵を受けることはできなかった」と分析している。

 携帯電話のデータ通信にしても、公衆無線LANサービスにしても、どちらもまだまだ利用者が喜んで使える状況からは遠いのだ。

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