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誰でも使える達人のワザ

効率が10倍アップする新・知的メール術

2008年04月10日 00時00分更新

文● 西川仁朗(アスキービジネス編集部)

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新入社員を迎えるにあたり、先輩社員として恥ずかしくないビジネスメールの作法を教えることができるようになりたいもの。そこで、学生団体LabIT主催で3月30日に実施されたセミナー「メールで引き出すベストコミュニケーション」から、社会人として知っておきたいメールテクニックを紹介してみよう。

 LabITは学生や社会人のITリテラシー向上に寄与する活動を2008年1月から行なっている学生団体。今回開催された公開セミナーでは、第1部で『メール道』や『ブログ道』の著者として知られる久米繊維工業 代表取締役 久米信行氏が基調講演を行ない、第2部では メールを使いこなす達人を迎え、座談会形式で「メールというコミュニケーション手段」について語った。


ICTは誰でも使えるただの道具


 まず久米氏は講演で「メールはITやICTの知識は関係ない。活用できるかできないかは使う人の“知情意”で決まる」点を強調した。

久米繊維工業 代表取締役 久米信行氏

久米繊維工業 代表取締役 久米信行氏

“知情意”とは「必要な知恵を得る達人との縁」「一期一会の出会いを愛でる情」「自ら情報発信を愉しむ意志」のこと。たとえば誰かの講演会に参加することを考えてみよう。その際に何も準備せずに単に会場に足を運ぶだけでなく、あらかじめ講師の名前をgoogleで検索して下調べをしたり、著書を読んでおく。そして、その講演会の後にメールでお礼を述べて、自分とのつながりをつくる。そのような情報収集・発信を積極的に行なう総合的なコミュニケーション能力を指している。人と人との“縁”をつくるメールを使いこなすことによって、「人生の幅が広がる」と久米氏は述べる。

「メールは単なる通信手段ではなく、うまく使いこなせば新しい友人や学ぶことの多い濃密な時間を得ることができる。だからこそメールを送った相手に『この人と会いたい』と思ってもらう必要がある」(久米氏)


覚えておきたい具体的なメールテクニック


 そこで久米氏は相手の心を動かすために、具体的に使えるメールテクニックとして下記の7点を挙げる。

 
この人に会いたくなるメール7つのポイント
項目 内容
1 送信者名 漢字、ひらがなで目立たせる
2 タイトル 魅力的で具体的な日本語にする
3 呼びかけ 気持ちのこもったあいさつをする
4 自己紹介 自分のキャラクターを紹介する短いコピーやブログを見せる
5 つかみ 事前に相手の情報を収集することで先方の心のツボを探しておく
6 結論 最初に結論! お願いをするときは分相応かどうかを考慮する
7 理由 自分と会うとどんなに楽しいかを伝える

 久米氏は「大切なことは丁寧で謙虚な文章を書くことで、相手への関心と自分の魅力をいかに伝えるか」と語る。「一方的な売り込みやお願いメール、あるいは露骨にコピー・ペーストが伝わるメールは読まずに捨てたくなる。メール1つで個人・企業のイメージが大きく左右されることを知っておく必要がある」と、メールが“縁”を紡いでくれる存在でありつつ、軽率なメールは個人だけでなく、企業全体のブランドを損ねると注意を呼びかける。

「メールはビジネスライクなツールで心が通わないと考える人いるが、そんなことはない。ビジネスメールでも送り手の人格がにじみ出てしまい、その人の評価を決めてしまう。相手と用途に合わせ、間合いを計り、電話や手紙など他の通信手段とうまく組み合わせて活用して欲しい」(久米氏)

 【次ページ】メールでビジネスの生産性を高める

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