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東方の三賢者が贈る、日本へのアドバイス

搾取された30代が日本を変える──中島×小飼×津田・鼎談(後編)

2008年04月10日 12時00分更新

文● 斎藤温、撮影●曽根田元、聞き手●広田稔/トレンド編集部

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会社ではなく、ブログに帰属する


中島 でも日本の場合、名刺から肩書きが取れた途端に「ただの人」になってアイデンティティークライシスを起こしちゃう人もいますよね。そういう引退するのが怖いって人は、結構いると思うんですよ。

津田 会社に帰属心を感じている人は少なくないですから、そこはネックになるでしょうね。

中島 だからそういう人は、ブログを始めるのが一番いいと思う。ブログを書いて、10人でも50人でもいいけど定期の読者が付いてアイデンティティーが保てれば、辞めても「ただの人」じゃなくなりますから。

 10年前に退職したのに「元○○の××です」って言う人はいるんですよ。その気持ちは分からなくもないんですが、ちょっと違うかな、とも思っています。それを「〜〜というブログをやっている××です」にすればいい。僕なんかほとんど「Life is beautifulの中島です」って名乗ってます(笑)

小飼 僕も最近じゃ「職業『ダン』です」って言ってますよ(笑)



年金制度の代わりに「ベーシックインカム」を


中島 引退した人たち向けのベンチャー支援というのも必要かもしれない。退職金を貰った人たちがゴルフをするのもいいけれど、第二の人生で新しいビジネスができるようにする。要は「今、会社を辞めたほうがいい」と思ってもらえるような状況を作ってあげるということです。

小飼 あとは今の年金システムにあるような、世代間の貸し借りをなくすことも重要かな。怖いのは今の団塊ジュニア達がさらに下の世代を搾取するようになったら……ということです。可能性はゼロではありません。

津田 構造が変わらなければそうなってしまいますね。

小飼 だから年金を廃止して、「ベーシックインカム」(すべての個人に無条件で所得が与えられる制度)に統一しちゃえばいいんじゃないかと考えています。少なくとも老いも若きも同額貰える、というような形にする。

 原資は相続税のシステムを変えて、そこから持ってくれば回せます。この国では1年間で100万人の人間が死んでいて、その人たちの平均金融資産をかけると去年の実績だけで35兆円になるんです。

中島 そんなにあるんですか?

小飼 金融資産だけで、ですよ。これを原資にしてしまえばいい。今は控除がものすごくでかいから年に1兆円くらいしか徴収できてないけれど、システムを変えればどうにかなるはずです。

津田 そうすると海外に逃げる人が増える気もします。

小飼 だって死んだ人は払わないんですよ? 自分の子孫ではなく日本人に行く。それだけの話です。

中島 じゃあ、それを公約に掲げて国会議員に立候補します?

小飼 しませんよ。僕はゴルファーだし(笑)

中島 あ、逃げた(笑)


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