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東方の三賢者が贈る、日本へのアドバイス

個の時代がやって来る──中島×小飼×津田・鼎談(中編)

2008年04月09日 12時00分更新

文● 斎藤温、撮影●曽根田元、聞き手●広田稔/トレンド編集部

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個でやっていくのに最適な時代


津田 僕は過去、毎日ブログを更新していた時期に、AmazonのアフィリエイトやGoogleのアドセンスで毎月10万円くらいの報酬が入ってきていました。今は滅多に更新していないので、その収入はほとんどありませんけど、あのとき「ブログをもっと真剣に計画的に更新して、さらに原稿仕事などをやっていけばそれで十分食っていける」ということが具体的に見えた感じです。

 昔はフリーライターという職業は40歳を超えたら編集プロダクションを立ち上げるか、作家になるか、医療や技術といった専門性の高いライターになるか、そういう3つくらいの選択肢しかなかったんです。でも今はネットにコンテンツを提供することで、収入の機会を増やせる。「兼業」ということも含めて、昔より選べる幅が間違いなく増えていると思う。

── 「個」を選択できる幅が広がっているという?

津田 色々なジャンルで個が立てるだけのインフラが整備されていますからね。あとはどれだけ自分でリスクとコストを取れるか、という話です。

中島 流通に関しても日本はもっと変わってもいいかもしれないですね。僕はこの前、本を出させてもらったけど、書籍の印税は10%というのが慣例になっている。例えば、Amazonだけでしか売らないけど、僕の取り分が50%になるというなら、僕は必死になって売りますよ。そうしたら1000部しか売れなくてもビジネスが成り立っちゃうかもしれないでしょ。

津田 音楽では、既にAmazon専売の例はありますが、Amazonの取り分が結構大きいので、それだけで食べていくというのは難しい。

 あと、意外なところでは、路上ミュージシャンも結構儲かるらしいですよ。自分でCD-Rを焼いているから売り上げは100%自分のものになるし、場所代もいらない。投げ銭をくれる人も結構いるので、実力があれば月に30万円くらい稼げるみたいですね。



自分が欲しい物を作ろう


小飼 コミケだってジャストインタイムでやってるんだから、出版でもできないとは言わせない。自分で物を作って売ろうって考えると、とてつもなく怖いことに聞こえるかもしれないけれど、これほどそういうことが楽になった時代ってないですよ。

 昔だったらオフィスの備品だって自分一人じゃ買えなかったかもしれないですけど、今は普通に専用の通販がありますから。

津田 それでも、さっき小飼さんがおっしゃっていた「種目を増やそう」という話につながるんですが、中々そういうものって見つけられないですよね。

小飼 世の中に不満を持っていない人はいない。だから、まず「自分が欲しい物を作ろう」っていうのでほとんど上手くいくんですよ。あとはちょっとした心がけ次第です。

 確かに色んな技術もいりますし、お金も集めなければいけないですけど、そういった知識は知識で買える。とにかく、今は独立しちゃうのが一番安全かもしれないですね。

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