パソコンの世界とケータイの世界は一緒になるか
軽量なエンジンを武器にクロスプラットフォーム展開を行なうことはOperaブラウザーの特徴である。
日本ではケータイとパソコンのコンテンツはそれぞれ別の世界で、参加するユーザーのコミュニティーも別物という印象が強いが、米国ではアップルの「iPhone」、グーグルの「Android」といったものが象徴するようにその壁が崩れつつある。そのあたりの認識はどうだろうか?
冨田 (キャリアーの公式コンテンツでの囲い込みという点では)米国はこれまで日本よりひどい状況がありました。オンデックやオフデックなどと言うんですが、モバイル向けのコンテンツはその中で完結したものという印象が強かったんです。ヨーロッパの状況は違っていて、Vodafone Live!のような(公式コンテンツ)も存在しますが、基本的にオープンで、サードパーティー製のアプリケーションなども自由に使えます。
しかし、iPhoneが出てきてケータイでもインターネットができるんだよとジョブズがアピールし、消費者のインターネットに対する期待値が上がりました。そんな中、端末メーカーからOperaブラウザー搭載で、iPhoneに対抗できるような対応を企画してほしいという案件も増えています。その流れは止められないと思います。
Operaなら、もっと安くiPhoneを作れる?
考えてみればジェスチャーやガジェットといったiPhoneの特徴は、Operaでも以前からサポートされていた。
Operaとタッチパネルを組み合わせたiPhoneライクなスマートフォンといったものも今後増えてくるかもしれない。Operaには軽量であるため、要求するハードウェアのスペックも低くてよい。つまり低価格化が可能だ。
冨田 iPhoneのハードウェアスペックはかなり高いですね。Mac OS Xが動作してあれだけリッチな機能を提供しているのだからある意味当然といえます。でも、Operaブラウザーならもっと低いスペックのケータイでも動作するんです。
YouTubeにジョーク動画が上がっているんですが、アップルのCMをもじって、Opera mini君(Javaアプリケーション版のOpera)とiPhone君が掛け合う動画があります。iPhoneのように高いお金出さなくても、いまあるケータイでネットができるよ、というものなんですが。
ユーザーとの関係を大切にしていきたい
Opera Softwareでは10日に東京・広尾のノルウェー大使館でイベント「Opera Backstage Tokyo」を開催する(関連リンク)。これはユーザーとコミュニケーションをとるため、同社が世界各国で行なっているイベントだ。
訂正とお詫び:掲載時、Opera Backstage Tokyoの開催日が誤っていました。訂正してお詫びします。(4月4日)
冨田 Opera Softwareはユーザーとのコミュニティーを大切にしています。不具合の修正や機能の改善などのアドバイスを受けたり、マーケティングやプロモーションの助けをいただくこともあります。そんなユーザーと対話をする場を持つというのが主旨です。ユーザーの皆さんと実際に会って、開発に対する考え方を示していくので、ぜひいらしてください。
冨田 Opera 9.5は、最近別のブラウザーを使っているような人に、ぜひもう一度使ってもらいたいと思います。過去に使っていたOperaブラウザーから、改善されている面がいろいろとありますから、ぜひその点を体験していただければと思います。
冨田氏は最後にこう話した。