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ニコニコムービーメーカーが、動画編集に対応しない理由──インターネット村上社長に聞く(前編)

2008年04月03日 09時00分更新

文● 高橋暁子

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操作が簡単で新規ユーザーも増加


 NMMの特徴は「静止画」のみに対応すること。動画の取り込みには対応せず、静止画に字幕や音楽を付けられるようになっている。

 しかし、機能が絞られているゆえに操作が簡単で、初心者でも5分もあれば、そこそこのクオリティーの作品を作れる。実際ユーザーには動画作成の初心者が多く、初めての動画を作成したという人も多いという。

村上氏

インターネットの村上昇社長

村上 ドワンゴ側はそもそも、初心者の動画作成やアップロードを増やしたいという意図を持っていた。しかし、初心者にはいきなりの動画作成は敷居が高い。自分で撮って面白く編集するのは大変だし、他人の作品を使うと著作権侵害につながる。その点静止画ならデジカメで撮れば済むので、初心者にも敷居が低い。

 リリースから三週間が経つが、反応は上々だ。ソフトがダウンロードされた数は、ユニークで6万5000以上。その影響か、SMILE VIDEO自体の投稿数も増えており、毎週のアップ数が6~7万。NMMからの新規アップ数は毎週5000程度で、全投稿数の10%弱といった形になる。



静止画をきれいにアップしたい


 ニコニコ動画に特化した機能として、ワンクリックで直接アップできるというものがある。「テキストテロップ」「フェイドイン」「フェイドアウト」といったエフェクトにも対応している。その後のアップデートにより、「弾幕」機能なども実装された。

アップデート

ニコニコムービーメーカーは最近アップデートしたばかり。ユーザーからの意見を積極的に反映している最中だという

村上  動画に対応しなかった理由については、「もともとニコニコ動画には静止画でもいけそうな動画が多くあった。静止画をきれいにアップしたいという要望があった。Flashの動画形式(flv形式)で圧縮すると汚くなってしまうが、静止画形式(swf形式)にするとファイル容量が小さくなり、サーバーのストレージ容量にも優しく、きれいな動画にできる。

 リリース寸前まで動画対応を検討していたそうだが、静止画からswfファイルを作ることを優先させたかったのと、ユーザーインターフェイス的に使いにくくなるため、第1弾としては静止画に特化することにした。

 静止画のみの対応は、既存のパワーユーザーたちから「紙芝居動画」と揶揄されたりもした。そのためか、今後の要望としては「動画に対応してほしい」というものが、圧倒的に多いという。

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