倍率フリーが売りのBlack Editionをテストするのだから、当然オーバークロック状態でのテストも行なってみたい。今回はBIOS上で倍率を13.5倍、つまり2.7GHzにオーバークロックした状態での性能も計測した。また、前回9600BEのレビューを行なった時とほぼ環境は同一(BIOSとVistaのバージョン違い)であるため、参考記録としてその時の9600BEの結果(ノーマルおよび2.7GHzオーバークロック時)も併記しておくことにする。
HyperTransport 2GHzの力
それでは実際のベンチを見ていこう。テストは「3DMark06」のCPUテスト、「CineBench R10」の1CPUおよび4CPUでのレンダリングテスト、「Sandra XII」のCPU Arithmetic、そして「Superπ」による104万桁のテストだ。
結果はまさにモデルナンバー順の通りに分布したような結果となった。9500と9850BEを比較すると、クロック比は約1.13倍だが、性能比は1.2~1.3倍のあたりに落ち着いている。動作クロックの差もあるが、HyperTransportの動作クロックが1.8GHzから2GHzになったことがさらに性能に下駄を履かせている格好になっているようだ。
9600BEを2.7GHz(倍率を13.5倍に設定)にオーバークロックするよりも、9850BEを同クロックにオーバークロックした時の結果の方が良い成績を残している点からも、HyperTransportの動作クロックの差は性能に強く影響することが読み取れる。今回は時間の関係と借り物であることから、シビアにパラメーターのツメは行なえなかったが、9850BEの場合倍率を13.5倍、電圧を+0.1Vしただけで動いてしまったことは記しておきたい。
(次ページへ続く)
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