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資格取得でNoリスク・Highリターン 第1回

第1回 資格取得でNoリスク・Highリターンな人生は可能か?

2008年04月01日 16時30分更新

文● 三好康之

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資格取得で得られるリターンを見直そう

 ところで、一口に資格によるリターンと言っても実はさまざまです。収入において即効的効果を望める場合もあれば、勉強自体によるさまざまな相乗効果でやがて大きなリターンを得られる場合など、いろいろなケースが考えられます。下記でその“リターン”の例を整理してみました。

■収入アップ系リターン
・昇格や昇進に有利
多くの会社ではSEに資格取得を奨励しています。そうした企業に勤務しているSEは資格を取得すれば、一時金や資格手当が加わって報酬が増えたり、少しのリターンでも確実に得ることができます。

・仕事(案件)を多く引き寄せる
特に希少価値のある資格は営業的に有利であると言えます。

・フリーランスで高収入の道が開ける
例えばフリーランスになれば兼業が可能になります。システム開発だけではなく、ITコンサルタントや執筆(出版)、講演、講義などを兼務できるでしょう。

 上記以外にもリスクヘッジとしてリストラをされにくくなり、少なくとも「収入減は回避できる」などもあるでしょう。もちろん100%リターンを保証されるわけではありませんが、株式投資や副業、(資格を持たない)転職や起業よりは、比較にならないほど高確率で“成功できる”と言えます。

 また、直接的な金銭収入のアップではありませんが、次のような効果も得られると考えられるでしょう。こちらが資格取得の本質的効果(メリット)であると著者は考えます。

■資格の本質系リターン
・知識が身に付いて仕事が面白くなる
知識が身に付けば、仕事が早く効率よくこなせるようになるでしょう。人は不思議なもので、自分に知識が付けばそれを試してみたくなるものです。そして、試した結果がよければ自信になります。ひょっとして、仕事が楽しくないのは知識がないからかもしれませんね。

・やりたいことができる
知識が付いて、周囲に対して何かアウトプットできるようになると、今度は周りがやりたいことをやらせてくれます。例えば、仕事力を認められると、転職、起業、在宅勤務など自由な選択肢を持つことができます(一旦リタイアしても、数年後の復帰やリゾート地での生活も十分可能です。我々の仕事は、場所を選びませんから)。

・ストレスがたまらない
やりたいことができれば、ストレスなんてたまりませんよね。

 挙げ出すとキリがありませんが、資格取得の過程で勉強するという行為そのものに焦点を当てれば「ロジカルシンキング」「課題解決能力」「計画性」「記憶力」など、自分でも気付かないうちに、実にさまざまなスキルが同時に身に付けられているはずです。

 このように、著者はSEがこれからを生き抜くために資格取得をかなりお勧めするわけですが、数ある職種の中で、SEという仕事ほど、取得対象の資格が多い職業はないでしょう。国家資格で14区分(平成21年度春期試験からの新制度では12区分)、ベンダー資格で80社数百区分も存在します。資格はそれを使いこなせなければ意味がありませんが、これだけ種類があれば効果をあげる方法を見極めるのは難しいものです。そこで、次回から資格との上手な付き合い方を考えていきたいと思います。

三好康之氏

三好康之(みよし・やすゆき)

(株)エムズネット代表。SE出身のITコーディネータとして、SIベンダーとの交渉代理、見積もり妥当性チェックなど、利用者側の立場で情報化の支援をしている。また、SEの資格取得支援や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

e-mail:y_miyo@mwc.biglobe.ne.jp
URL:http://www5b.biglobe.ne.jp/~miyomiyo/


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