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高級コンパクトに生まれ変わった超望遠連写カメラ オリンパス「CAMEDIA SP-570UZ」

2008年03月31日 00時00分更新

文● 行正和義

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 撮影結果に関しては、広角から望遠まで特に描写が良いというわけではなく、どちらかといえばやや甘い印象やエッジの着色が見られるものの、光学20倍もの高倍率でも大きな破たんが見られないこと自体は高く評価できるだろう。SP-560UZなどで見られた連写時の画質低下に関してもかなり改善され、記録画素数の低下を気にしなければ十分使える機能になったと言える。

撮影サンプル3 高速連写2(毎秒約13.5枚、300万画素相当)の1コマ。画素数は低下するが品質自体はそれほど低下していない。ISO感度を上げているため、画像はややざらついている。プログラムオート、1/3200秒、F8、ISO 640。右はリサイズ後の連写画像を5枚並べてみた

 これまで、SP-500UZシリーズやその前身である「C-700UZ」シリーズはあくまで手頃な価格の高倍率ズーム機という存在であり、運動会などで子供を撮るようなホームユースをメインターゲットにしたモデルだった。本機ではかなり路線を変えてマニュアル操作が楽しめるカメラ趣味のユーザーに向けた高機能機という色合いが強くなっており、どちらかといえば同社のハイエンドコンパクト「C-x0x0Wide Zoom」シリーズ(2005年発表の「C-7070Wide Zoom」が最新)を彷彿とさせる一台だ。

撮影サンプル4 高感度撮影結果。画像はざらついてしまうがISO 800あたりでも十分見ごたえのある画像となっている。プログラムオート、1/30秒、F2.9、ISO 800

 一眼レフ機の低価格化によって高級・高機能コンパクトというジャンルには機種数が少なくなり、特にオリンパスでは入門機の「FE」シリーズと多機能コンパクト「μ」シリーズ以外のモデルはかなりさびしい印象だった。高機能コンパクトというジャンル自体はキヤノン「PowerShot G」シリーズなどがリリースを続けており、最近ではリコーの「GR」などによって再びここが注目されているようだ。

撮影サンプル5 望遠側でのマクロ撮影。ズーム域が広いということは前景と背景の大きさの比率を調整する自由度が高いのでかなり便利。広角側10cm/望遠側1.2mまで近接できる通常マクロのほか、広角側固定ながら1cmまで近接できるスーパーマクロモードを持つ。絞り優先AE、1/125秒、F8、ISO 64、露出補正+1

 これまでのSP-500シリーズの印象から高倍率ズーム・高速連写というスペックばかりが注目されやすいが、本機は同社が久々にリリースした高級コンパクトと言える。操作性の不備など若干の不満はあるものの、強力な撮影機能とマニュアル撮影機能を詰め込んだ点などは高く評価したい。



CAMEDIA SP-570UZの主なスペック
製品名 CAMEDIA SP-570UZ
撮像素子 1/2.33インチ有効1000万画素CCD
レンズ 光学20倍ズーム、f=4.6~92mm(35mmフィルムカメラ換算時:26~520mm)、F2.8~4.5
静止画撮影 最大3648×2736ドット
ISO感度 AUTO、高感度AUTO、ISO 64/100/200/400/800/1600、ISO 3200/6400(500万画素相当記録)
動画撮影 640×480ドット、30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式
液晶ディスプレー 2.7インチTFT、約23万画素
EVF 約23万画素
記録メディア 内蔵フラッシュメモリー約45MB&xDピクチャーカード
インターフェース USB、AV出力、DC入力
電源 単3形電池(アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池対応)
撮影可能枚数 約390枚
本体サイズ 幅118.5×奥行き84×高さ87.5mm
重さ 約445g(本体のみ)

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