外装の高級感に満足度高いものの
使い勝手には不満も
高級感のある外装デザインや、各部のスイッチ類など作りは非常にしっかりとしており、安っぽい印象はほとんどない。スーパーコンパネによる操作もEシリーズ的だが、なによりEVFと液晶ディスプレーに異なる情報を表示させるということは、単に切り替えて使っていた従来のEVF機とは一線を画す手だ。
しかし実際に使ってみると不満に感じる部分もある。特に電動ズームとズームリング操作だが、モーターの反応が悪く、素早くリングを回すとレンズがワンテンポ遅れて動いてしまう。リングを大きく動かすと速いズーム、ゆっくり動かすと細かくレンズが動くようになっており、20倍もの広いズーム倍率を素早くズーミングして微調整もするためのリングなのだろうが、リングという直感的な操作にも関わらずダイレクト感に乏しいのは非常に気になる。
また、やはり従来機と同様に動作がもったりとしているのも気になるところだ。SP-500シリーズはいずれも全般的に起動時間やAFの合焦タイミング、メニューの反応などが遅めだが、本機の場合はEVFと液晶ビューの切り替え、メニューの表示なども若干遅いと感じた。特に気になったのはMF操作の表示で、MF時は画面の中心を拡大してフォーカスを合わせやすくなっているのだが、画像の拡大表示の処理のためか、液晶ビュー全体がコマ落ちのようになって反応速度が遅くなる。風景などをじっくりと撮るのであれば問題はないが、動く被写体にフォーカスをマニュアルで追従させるのはかなり難しい。