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信じるな疑え! 「ニセ科学」批判の菊池教授に聞く

2008年03月30日 20時00分更新

文● 秋山文野、写真●小林 伸

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ニセという言葉に、こめた想い

 
菊池誠教授

 「ニセ科学」は、直裁で分かりやすいレッテルだ。「ニセ」という言葉には、よくないものだという価値判断が含まれており、「問題のある言説だ」と単刀直入に示せるからだ。

 「アメリカの懐疑主義者団体Skeptics Societyの会長、マイケル・シャーマーの著書『なぜ人はニセ科学を信じるのか』の翻訳タイトルから取ったんです。疑似科学とか、とりつくろった言い方をしてもしょうがない。以後はニセ科学という言葉がそれなりネットの中で広まったと思います」

 2005年から、ブログ「kikulog」をスタート。ニセ科学のトピックを集めて議論する場として、活発に機能している。菊池教授が、これは問題では?と感じた項目を記事として置いておくと、問題を整理する人、追加の情報を知らせる人などが次々とコメントを書き込む。

 「ひとりでに動いてくれるようになったので、ニセ科学を議論する場として機能していると思いますね。かなり見識と良識のある人たちがいてくれますから」



議論をROMするだけで、得られることもある


 ROMしているだけでも、ニセ科学の最新情報や問題点がよくわかる。実は、ビリーバーが参戦して激論になっていることも多い。

 「ネットの議論はその過程を人に見せるもの。本当に信じている人が説得されるということはまずないですが、相手を負かす必要はなくて、読む人が、議論の筋道を見てくれれば意味がある。どちらが筋の通った論とそうでない論か、よく見れば分かってもらえると思いますよ。どちらも折れなかったじゃないか、と結論だけ見られると困りますけど」

 確かにブログでは、なるほどこういうタイプの人がこういう風に信じちゃっているのね……というのが感じ取れる。これは、ネット上の怪しい言説にだまされないためのアプローチにひとつだという。

 「それから、望みすぎないことですね。『この水を飲んだら健康になります、長生きします』とか、水ごときに期待するものとしては大きすぎると思いませんか? 」

 確かに、普段飲む水が体を劇的に変えてしまうようなものだったら、かえって困る。簡単に手に入る、安価なものにとてつもない効果が、というのはどちらかというと「そうだったらいいのにな」という世界である。

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