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試行錯誤から生まれた操作感──α350とα200の開発者に聞く

2008年03月30日 15時43分更新

文● 小林 伸(カメラマン)

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日本語表示で、分かりやすいメニューを


── 操作性の面で1点だけ残念だったのが、「クイックナビゲーション」(設定値を一覧表示して、一画面で設定変更ができる機能)が非搭載だったことです。Fnボタンを押すと、文字で設定項目が出ますが、せめてここに「クリエイティブスタイル」を入れてもらえれば良かった。

漆戸 ここはエントリー機種ということで、アイコンだけじゃ意味が分からないんじゃないかと考えたんです。設定項目を日本語表記にしてなるべく分かりやすくしています。

佐渡 項目の選択に関しては、一番使用頻度の高い「ドライブモード」と「ISO感度」はダイレクトに変更できるボタンにして、次によく変更するものを絞り込んでいく形になったのですが、あまり画面を分割しすぎると文字が小さくて読みづらくなるので、6個にしました。あとは土地の奪い合いで、議論を重ねました。

Fnキーを押した状態で表示されるα200(左)とα700(右)のメニュー

 クリエイティブスタイルに関しては、初級者というよりは中級者向けの機能なので、最初からでは混乱を招くかもしれない。そう危惧して通常のメニュー画面の方に置くことにしました。クイックナビを要望する声はよく聞きますし、われわれもあったほうがいいかな、とも思いましたが、今回は分かりやすさ優先でこうなった形ですね。

── 設定により選べると良かったかもしれないですね。新機能という面では、α350に搭載されたスマートテレコンバーターはデジタルカメラらしいいい機能だと思いました。コンパクト機の機能を一眼レフに持ってきたわけですよね。

漆戸 ソニーのコンパクトデジカメに搭載している「スマートズーム」と考え方は同じです。「テレコンをデジタルでやりましょう」というのがコンセプトですね。散歩していたときに鳥を見つけたけど、標準ズームじゃ寄り切れないねとか、運動会で自分の子供をもっと大きく写したいというときなどに、便利だと思います。

佐渡 これは14メガの高解像度を生かす機能です。出力サイズは小さくなってしまいますが、余計な補完をしないので画質に劣化が生じない。2倍のズームを使っても、3.5メガで撮影できるので、サービスサイズで出力するぶんには問題ないですから。

── 高解像度という意味では、複数の画素を1つの画素として扱うことで、超高感度の撮影を可能にするといったアプローチも面白そうです。

漆戸 はい。面白いですね。ぜひやってみたい機能のひとつです。

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