今回はテスト環境(測定サイト)を統一できなかったので、厳密な比較にはならないことを始めに断っておきたい。その上で測定結果を比較すると、受信速度で速かったのはイー・モバイルで約3.7Mbps、送信速度はauで約567kbpsという結果になった。受信速度に開きはあるが、YouTube(高画質版を含む)はどのキャリアでもスムーズに再生できた。
中でもイー・モバイルでの受信速度は4Mbps以上を記録することもあり、体感速度もきわめて快適。実際に使ってみた印象では、固定通信のADSL(8Mbps~12Mbps程度)をそのまま使っているような感覚だ。YouTubeやニコニコ動画、GyaOなどの動画のほか、GoogleマップやGoogle Earthなどの地図の読み込みも他端末よりワンテンポ速く、まったくストレスがない。Skypeの音声遅延も会話に支障をきたさないレベルだった。
auの受信速度は約1Mbpsとふるわなかったが、文字中心のウェブを閲覧するぶんにはストレスは感じない。ニコニコ動画やGyaOなどの動画サービスや地図のようなヘビーなサイトは読み込みに時間がかかったり、コマ落ちが激しくまともに視聴できないなど、実用性は低いが、こうしたサイトをあまり使わないのであれば十分役立つだろう。
ちなみに、容量の合計が約1.1MBの複数の画像をFlickrに連続してアップロードしたところ、イー・モバイルは約136秒かかったのに対し、auは約90秒と3分の2の時間で済んだ。
データ量やプロトコルによる規制にも注意!
ただしauはデータ量で通信規制されるためか、動画などを観続けていると、途中で強制的に切断されるケースが頻発した。auに問い合わせたところ、「データ量によって帯域制限することはあっても切断はしない」ということだが、テスト時には切断が起こった。電波状況による可能性も考えられなくもないが、テスト時の受信感度は良好であったことを付け加えておく。
基準値が非公表なので定かではないが、経験上、送受信合わせて30~50MB前後がひとつの目安になっているように見えた。仮に切断されても直後に再接続できるので、致命的に使い勝手が悪いとまでは言えないだろう。
ドコモの速度はまずまずだがプロトコルに制限がある。そのため、むしろどんなサイトやソフトを利用できるかといったことに気を配る必要がある 。Googleの各種サービスやYouTube、ニコニコ動画などは問題なく利用できたが、SkypeやYahoo!メッセンジャーなどのコミュニケーションツール、FFFTPなどのFTPクライアント、GyaOなどは利用できなかった。
ドコモの場合もauと同様、データ量で通信規制される。ドコモのサイトには「通信が中断されまたはそれ以降一定時間接続できなくなることがあります」とあるが、実際には、Youtubeやニコニコ動画を観続けても一度も強制的に切断されることはなく、予想していたよりは使い勝手がいいというのが実感だ。
なお、ドコモの定額サービスでどんなサイトやソフトを利用できるかは事前に確認できる。気になる人は「定額データプランご紹介ソフト」をダウンロードし、事前アクセスチェックで確認してみよう。
各社通信端末で利用可能なサービスにはどんなものがあるかは、次ページの一覧を参考にしてほしい。
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