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「メディアとしての力」を持たせたい

津田大介が伊藤直也に聞く、「はてなブックマーク」の今と未来(後編)

2008年03月27日 09時00分更新

文● 津田大介(ジャーナリスト)

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「フラット化」を押し進めたはてブ


── よく言われることかもしれませんが、はてなブックマークが登場する以前/以後でネットの傾向が大きく変わったと僕が思っているのは、ネットのエントリーやブログの存在がものすごくフラットになったということなんですよ。

 ブログが定着して、書ける能力を持つ人がたくさんネットに入ってきた現在、イチから新規のブログを立ち上げて人気ブロガーになろうと思うと、ライバルが多くて難しいじゃないですか。でも、はてなブックマークが登場したことで、誰かが3人ブックマークすれば「注目のエントリー」に入って、そこで内容が面白ければどんどんブックマーク数が増えていく。はてなブックマークは、無名の人でもいい記事を書けば注目されるという「発見」の速度を大幅に上げましたよね。

 ただ、フラットになったとはいえ、はてなブックマークは、はてな特有のコミュニティー色が濃く残っていると感じます。ホットエントリーを見てるとアクセスが伸びる記事の傾向はかなり似通ってる。フラットにはなってきたけど、数百個ブックマークを集めるような記事は同じような内容が多い。

 でも実際は20とか50とかくらいしかブックマークが付かないけど、そこにすごく良質なエントリーが眠っていることもある。もうちょっと一般的な感じというか、「記事のバラエティー」という意味でもフラットにできないのかなと。

伊藤 ああ、そこの部分はかなり問題意識を持ってます。今の注目のエントリーを出す仕組みって、シンプルなロジックしか使っていないんですよ。曖昧な表現ですけど、ものすごく「線形」で画一的。要は人気があるものが頂点にあって、それがただフラットに並んでいるだけなんです。だからいろいろな視点を盛り込んで、文章の内容やカテゴリーで分類したいと思っています。

 例えば、海外の話題ですごく重大なニュースが飛び込んできたときに、それが500ユーザーにブックマークされることはないから、注目のエントリーには入りにくい。でも多分、海外のニュースだけ抽出してまとめて見られるようにしたら、はてなブックマーク経由で海外の主要な動向が分かるようになる。

 はてなブックマークの傾向として、プログラマー向けの話題ばかりがブックマーク数を集めちゃったりしてるんですが(笑)、それはそれとして、違うジャンルの記事も世界を分ける形にして、今まで奥の方に眠っていたものを見やすくなるようにしたいなとは思ってますね。


── 確かに今ホットエントリーのページに行くと「読書」とか「音楽」とか「ウェブ」とか、カテゴリーは分けられていますけど、割と曖昧で「この記事がこのカテゴリー?」みたいなことが結構ありますよね。

伊藤 そうなんです(笑)。だから、あのカテゴリー分けがちゃんと機能するように、作り直そうかなと思ってるんです。


── はてなブックマークには「注目の商品」という機能もありますよね。これは進化させないんですか。

伊藤 注目の商品も、もう少しちゃんとしたいと思っています。今は取って付けたような感じになっていますけど、手を入れたい部分のひとつです。

 この前、ある出版社の人に聞いたんですが、本がはてなブックマーク上でブックマーク数を稼いで目立つ位置に来て、そこから有名なブロガーさんがレビューして売れるというケースが最近すごく増えているそうなんです。それだけ影響力がある状況になっているからこそ、今みたいにフラットに並べるだけじゃなくて、コミュニティーに支持されているものを目立つようにするとか、そういう観点で手を入れられる余地はあるなと思います。

注目の商品

はてなブックマークのトップページにも「注目の商品」欄がある

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