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津田大介が伊藤直也に聞く、「はてなブックマーク」の今と未来(中編)

2008年03月26日 10時00分更新

文● 津田大介(ジャーナリスト)

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クリティカルなトラブルは起きていない?


── 今まではてなブックマークを運営してきて、大きなトラブルというか「これはきつかったなあ」ってことはありましたか。

伊藤 一番大きな問題としてあったのはスパムですね。一時本当にスパムが酷かった。今でもかなりの数のスパムが来てるんですけど、ある程度押さえ込む仕組みがうまく作れたので、最近はそんなに目立たなくなりました。

 その仕組みができるまでは、とにかくスパムを見つけたら消すみたいな感じで、全然仕事に集中できなくてとにかく厄介でしたね。ただ、スパム業者もいろいろ新しいことをやってくるので、恐らくこれは継続的に対応を強化していかなければいけないと思います。

 システムじゃなくて、社会的なトラブルがあったかというと……。うーん、個人的には、はてなブックマークではそこまでクリティカルな問題って起きてないと思うんですよ。それこそほかのネットサービスとかと違って、逮捕者が出たとかそういう類のものはないはずです。

 ただ、最初に「誰か」が勇気を出して、あるエントリーに対して「これは違うんじゃないか」みたいなことを言う人がいるじゃないですか。それに乗っかって同じようにわーっと石を投げる人たちもいますよね。そういう行為が悪い方向に作用して、サイトの閉鎖まで至ったとか、閉鎖しないまでも書いた記事を消してしまうといったことは何回か目にしていて、さすがにそういうことが続くのも問題かなとは思ってます。


── 最近でも、「はてなダイアリー」で賛否両論を集めたユーザーがいましたね。

伊藤 この間も話をしていたんですけど、はてなブックマークって、「炎上」した直後はみんな石を投げてるんですよ。でも、時間が経ってくると「おいおい、そんなに石を投げるなよ」みたいなカウンターが出てきて、新しいコミュニティーが形成される。先ほど言われていたユーザーさんも、最初はアンチが目立っていましたが、今は周りにコミュニティーができてますよね。その方が何か記事を書くと、常連がコメントを付けたり、アドバイスしたりという感じで。

 だから僕は時間が経過してから出てきたカウンター的な意見を、多くの人の目に届かせるようにしたいんですよ。誰か「これはいい」と書く人がいたら、多分その背後には20人くらい同じことを思っている人がいると思うんで。そういう人たちの感想や意見が本人に伝わりやすくなっていったらいいなと。

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