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すっきりデザインに生まれ変わった新・入門機 リコー「RICOH R50」

2008年03月22日 11時00分更新

文● 行正和義

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 厚みは23.4mmで、22mm以下が増えてきた最近のデジカメの中ではそれほど薄いわけではない。横幅や高さもキヤノン「IXY DIGITAL」シリーズやパナソニック「LUMIX FX」シリーズと比べてもサイズ的にはやや大ぶりだが、右側面が背面側に傾斜しているため手に取ったときはかなり薄く感じるようになっているのは面白い。起動音やズーム音もこれまでの同社製品と比べると非常に低く抑えられているのはR8と同様で、静かな場所でも気がねなく使えるようになったためカジュアルユースにも有効だろう。

撮影サンプル1 広角側36mmと、コンパクトデジタルカメラとしては一般的だがやはり同社製品としては物足りない。プログラムオート、1/600秒、F3.5、ISO 50。元画像は3648×2736ドットで、掲載用に800×600ドットにそれぞれリサイズ、トリミングしている

 撮影画像に関しては、落ち着いた発色とコントラストのおかげでやや地味な印象を受ける。また、感度を上げると途端にノイズが増えてかなり画質は悪くなるほか、低感度域でもややざらついていてノイズ感があるとともに被写体の輪郭などのシャープ感を損なっている点などが、画質にうるさい人には気になるだろう。

撮影サンプル2 発色は特に強い彩度強調はないとはいえ、やや地味な印象を受けるのも確か。低感度域でも拡大するとややざらついているのは気になるところ。プログラムオート、1/598秒、F3.5、ISO 50

撮影サンプル3 撮影サンプル2と同じ場所から最大望遠で撮影。薄型ボディーながら光学5倍ズームを装備する入門機というのはかなり重宝するのは確かで、特に望遠側での解像感の低下もそれほど気にならない。プログラムオート、1/320秒、F5.6、ISO 50

 リコーのデジタルカメラは「GR DIGITAL」に「GX 100」、最新の「R8」とラインナップ全般がやや高級志向にシフトしている。海外ではシンプルな入門機「Caplio RR」シリーズが発売されているが、国内では「Caplio R30」を除けば普及/入門クラスのモデルが存在しない状態だった。

撮影サンプル4 高感度撮影結果。低感度域でもやや画面はざらつくが、ISO感度を400以上にするとかなりノイズが目立つ。最高感度こそ3200となっているが、ISO 800あたりが実用上の上限と言えるだろう。プログラムオート、1/800、1/6秒、F3.5、ISO 800

撮影サンプル5 マクロ撮影結果。最短撮影距離は通常時で約40cm(広角)、マクロ時では約10cmと、従来のリコー製品(最短1cm)と比べるとマクロ機能はかなり弱い。プログラムオート、1/250秒、F3.5、ISO 50

 RICOH R50は外観的に安っぽいところがなく、ボディーやレンズも新設計で、入門機としては幅広い焦点距離の光学5倍ズームレンズを搭載するなど、細かいところに手がかかったモデルではある。ただし、撮影機能や画質などを見るとやや平凡という印象はぬぐえない。低価格な入門機ゆえに機能面・画質面で妥協するのはやむを得ないだろうが、もう少しリコーらしさを出す工夫がほしかったところだ。

RICOH R50の主なスペック
製品名 RICOH R50
撮像素子 1/2.3インチ有効1000万(総1034万)画素CCD
レンズ 光学5倍ズーム、f=6.3~31.5mm(35mmフィルムカメラ換算時:36~180mm)、F3.5~5.6
静止画撮影 最大3648×2736ドット
ISO感度 オート、ISO 50/100/200/400/800/1600/3200
動画撮影 640×480ドット、30fps、MotionJPEG圧縮QuickTime形式
液晶ディスプレー 2.5インチTFT、約23万画素
記録メディア 内蔵約52MBフラッシュメモリー&SDカード(SDHC対応)
インターフェース USB 2.0(Hi-Speed)、AV出力
電源 専用リチウムイオン充電池(DB-80)
撮影可能枚数 約220枚
本体サイズ 幅97.3×奥行き23.4(最薄部22.4)×高さ56.3mm
重さ 116g(本体のみ)

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