カフェ、売店など
選ばれし者のみが許される極上のひととき
今回は取材ということで、本来エコノミーシートの乗客が立ち入ることのできないビジネスエリアやエグゼクティブフロア(T4デッキ)も見学をしてきたのだが、ビジネスシートは、座席との前後の間隔が広くなっているほか、座席ごとにLEDを使った読書灯がついていた。また、このビジネスシートは、エコノミーシートと同じT3デッキにあるのだが、エリアが扉で区切られて完全に分離しているため、落ち着いた時間をすごすことができるようだ。
そして、デッキごと完全に独立したエグゼクティブシートになるが、座席ひとつをとってもほぼ寝そべっているのと変わらないほど倒れるリクライニングに加え、全席にフットレストや液晶モニタが付いていた。さらにエグゼクティブフロアには専用のバーやラウンジ、シャワーといった設備がある。また、エグゼクティブシート利用者には、フリードリンクや軽食のサービスが用意されている。
乗船後、まもなく船は青森フェリーターミナルを出港し、津軽海峡へと出たのだが、信じられないほど静かかつ低振動で、抜群の乗り心地となっていた。出港後1時間もしないうちに、最高速度に程近い35ノット(時速65km弱)で航行したのだが、その間も振動もエンジン音もほとんど感じることはなく、船が苦手な人でも船酔いの心配は無用と感じた。当初の予定では定刻どおり1時間45分の航海で函館に入港する予定だったが、海流の関係で5分ほど早まり、1時間40分後には函館フェリーターミナルへと着岸。ちなみに、通常のカーフェリーを使った場合の所要時間は3時間50分なので、従来に比べて半分以下の時間で津軽海峡をスマートに渡ることができるのだ。今年の5月には同航路の2番船となる「ナッチャンWorld」の就航が予定されているという。
航行中の風景
筆者が乗った青森16時発の13便は、ちょうど夕日を拝めるサンセットクルージングとなる。かなりの速度で航行しているのだが、ほとんど揺れていないのが上の動画でおわかりいただけるだろう。