PCリモーター上で動くのは、あくまでこのホームサーバPC上のWindows Vista。データもサーバ内にあるので、仮にPCリモーターが紛失・盗難にあっても、情報漏洩のリスクを抑え、セキュリティ面でも安心だ |
昨今、業務用のノートパソコンが盗難にあい、保存されていた情報が流出の危険に晒されるという事件が後を絶たない。どこでも作業できるノートパソコンは必要だが、盗難による情報流出も怖い。かといって、業務用のシンクライアントは個人で導入できるようなものではない……。そんなニーズにもLuiのPCオンデマンドは役立つ。
活用事例3で説明したように、PCオンデマンドはホームサーバPCのWindowsをネットワーク経由でPCリモーターから操作する仕組みとなっている。PCリモーターは基本的にディスプレー+キーボードの機能を持つだけのシンクライアントであるため、PCリモーター内にデータを保存することはない。だから、万一PCリモーターを紛失したり盗難されても、情報漏洩のリスクを抑えられる。ビジネスユーザーにとっては特に嬉しい特徴だろう。
またPCオンデマンドでは、データの同期を意識しなくてすむのも便利だ。デスクトップパソコンとモバイルノートを使い分ける際には、それぞれのパソコンに保存されたデータを、最新の状態に合わせる同期処理が必要となる。Windows Vistaには標準で同期のための機能(同期センター)があるものの、同期する“ひと手間”が必要であることに代わりはない。
ホームサーバPCとPCリモーターの通信にはVPNを使用してセキュリティーを保っている。とはいえ接続は簡単で、接続を選択してパスワードを入力するだけ |
その点PCオンデマンドであれば、PCリモーターで操作するのはホームサーバPCそのものである。ホームサーバPC上のファイルならば、同期の問題を一切考えずにすむわけだ。
ちなみに、PCリモーターとホームサーバPC間は、VPN(Virtual Private Network)上で暗号化されたデータでやり取りしており、セキュアな通信を実現している。VPNといっても難しい操作は必要なく、(あらかじめ設定しておけば)PCリモーターからホームサーバPCに接続する際にパスワードを入力するだけと、簡単なものだ。