日本AMD(株)は12日、三洋電機(株)と協業し、パソコン上でのHD映像の再生や編集作業を推進するソリューション「AMD HD! Experience」を同日付けで提供開始すると発表した。
AMD HD! Experienceとは、デジタルビデオカメラで撮影したフルHD動画などを、パソコン上で再生・編集作業を訴求するソリューション。AMDが今月4日に発表した、HDビデオデコードアクセラレーション機能「UVD」を搭載するチップセット「AMD 780 G」シリーズ(関連記事)を搭載したパソコンを利用することにより、現行のパソコンでは困難であったHD動画の編集作業やフルフレーム再生を、CPUに負荷をかけることなく実現できるとしている。
あわせて、消費者がそれがAMD HD! Experienceに対応したパソコンであると分かりやすいように「AMD HD! Experience ロゴ」というロゴを作成。対応したパソコンに貼って販売することで、HD動画編集機能を備えた安価なGPU内蔵チップセット搭載パソコンを提供できると説明した。
同日開かれた説明会では、日本AMD マーケティング本部 PCプラットフォーム・プロダクトマーケティングマネージャーの土居憲太郎氏が三洋電機との協業計画について説明した。土井氏は最初に「家庭におけるHDの対応は、デジタルテレビやゲーム機などHDに対応した機器が増えている。しかし、ビデオカメラなどで撮影したHD動画をパソコンで再生した場合、コマ落ちするなどパワー不足となっているのではないかと認識している」と述べ、現状のパソコンはHD動画の環境に適応しきれていないとした。
また、「メモリーカードタイプのデジタルビデオカメラは順調に伸びており、パソコンにメモリーカード(の中身)を保存したいといった欲求が高まってきている」と、ユーザー側ではパソコンを介してHD動画を再生・編集したいというニーズが高まっていることを指摘した。
今回の協業には、動画ソフトウェアメーカーである(株)ネロ、コーレル(株)、サイバーリンク(株)も協賛を表明しており、三洋電機のデジタルムービーカメラ「Xacti」(ザクティー)に同梱されている「Nero 7 Essentials」を、近日中に「Nero 8 Essentials」に無償アップデートを行なうという。Nero 8 Essentialsの再生アプリケーション「Nero ShowTime4」はUVDに対応しており、HDの再生パフォーマンスが向上しているという。
また三洋電機 パーソナルモバイルグループ DIカンパニー DI事業部 DI企画部 部長の豊田秀樹氏は今回の協業について、「テレビやメディアなどはHD化が進んでいるが、パソコンのHD化は遅れていると認識している。Xactiの動画ファイルは『重い』と、ユーザーからの意見を受け取っていた。2010年までにはパソコンのHD化にも対応したいと思っていたため、今回の協業は我が社にとっても待望のことだった」と述べた。