消費電力は驚きの低さ!
性能は動作クロックなりだ、ということがわかった時点で大本命の消費電力および温度のチェックに入ろう。まずビデオカードを搭載しない状態で、「ワットチェッカー」でシステム全体の消費電力を計測した。ここではアイドル時および3DMark06実行時の消費電力を比較してみる。
さすが低消費電力を武器にしているCPUとチップセットだけあって、780G+4850eの組み合わせではアイドル時50Wを大きく下回っているのには感嘆させられる。内蔵グラフィックコアをフル回転させても100W程度であるため、小型のHTPC用途としては出色の出来であると言えるだろう。
一方、HD 3450を追加するとそれなりに消費電力は増えるが、Hybrid Graphicsを使おうが使わなかろうが消費電力はほぼ同じだった。ちなみに、この消費電力の低さはGPUのドライバーにも秘密があるらしく、HD 3450を装着した直後の状態(ドライバー未導入)ではアイドル時に70W近辺になるが、ドライバーを正しく入れると途端に10W下がるのだ。
低消費電力CPUで気になるのは、やはり発熱!
「Core Temp」による温度計測も行ってみたが、どうもBIOSも熟成度が今ひとつらしく、信頼性に疑問のある数値しか取れなかった。“純正”の「AMD Overdrive」に至っては“0度”になる始末。AMDによるツールの熟成を期待しつつ、とりあえず参考程度の値を出しておく。5000+はサーミスタによる簡易測定である。また、CPUクーラーはかなりゴツいものが付いていたため、5000+付属の簡素なものに交換して測定した。
アイドル時14度というのは明らかに誤読だろうが、動作中でもヒートシンクは全く熱くならない。TDP45Wの謳い文句には嘘はない模様だ。試しにサイズ製のCPUクーラー「NINJA PLUS(rev.B)」を装着してファンレス状態にし、StressPrimeで10分間放置した場合は50度を見事にオーバー。フル回転は難しいかもしれないが、ファンレス運用したい場合でもなんとか使っていけるレベルの発熱に収まっているといえる。
小型PC用としてはいい感じ。だがそれよりも……
と、このようにAMD製最新チップセットとCPUのインプレッションを駆け足で見てきた訳だが、安価で省エネを追求したいなら、780Gマザーに4850eの組み合わせは割とよい組み合わせではないかと感じる(3Dゲーム用としては論外だが)。Hybrid CrossFireは微妙だが、780Gはグラフィック統合型としては決して悪くない。だが……華がないのだ。ユーザーに「コレが使いたい!」と思わせる強烈な魅力に欠ける、というのが両製品の最大の欠点だろう。あまりに無難すぎるとも言い換えられる。
やはり、ユーザーとしては旧世代のCPUの焼き直し版よりも、何より新しさが欲しいのだ。「9600 Black Edition」以来アップデートがご無沙汰のPhenomはどーなっているのか? 790FX+SB700マザーはまだか? インテルの45nmプロセス版CPUが市場の話題(いい意味でも、悪い意味でも)を独占しているだけに、AMDには頑張って欲しいものである。
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