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エンジニア・インタビュー 第5回

GoogleやYahoo!では満足しない~サイボウズ・ラボの天才開発者が作る「Pathtraq」とは~

2008年02月29日 12時00分更新

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得意分野を伸ばしてスペシャリストになるには?

 さまざまなキャリアを経験し、輝かしい実績を残してきた奥さんは、前述のように現在もサイボウズ・ラボで生き生きと開発作業に没頭している。いつか自分も奥さんのようなスペシャリストになりたいと考えているエンジニアも多いのではないだろうか。では、どのようにしたら奥さんのように技術的な強みを身に付け、さらに研磨していけるのだろうか。

「私の場合は幸い自分がやりたいことを選べてきました。なので、嗜好性の高い部分の技術を自然と磨くことができていたんだと思っています。ただ、やはり、それが可能な職場に属するということも大切でしょう。私がサイボウズ・ラボに入ったきっかけも、サイボウズ・ラボが、かなり自由に開発をさせてくれて、しかもお金の心配をしなくてもいい環境だったからです。自分の好きなことを仕事にしようと思うと、資金調達の問題がありますからね」

 サイボウズ・ラボの業務は個々の自主性に任される部分が多く、得意分野を高めやすい環境にあるようだ。個人の力で何かを生み出すことができる優秀な人材が集まっている会社だからこそ、ほぼ自主性に任せることができるのだろう。では、同社ではどのようにアイデア出しがされていて、そしてどのように形にしているのか。

「サイボウズ・ラボでは、サイボウズのグループウェアを使っていて、大抵の人が『ひとりごと』という掲示板を持っています。そこに、アイデアの種などの思いついたことを書き込む。そうすると、フィードバックがもらえることがあります。別に見た人はフォローしなくてもいいし、興味があることだけフィードバックすればいい。書く方も見る方も気軽な方法ですね。そのような気軽なコミュニケーションからアイデアが生まれることはありますね」

サイボウズ・ラボ

サイボウズ・ラボの社内風景。1人1人に割り当てられたスペースも広く、余裕を持ったレイアウトがされている。

サイボウズ・ラボ

サイボウズ・ラボの休憩スペースには、海外製のジェットコースターの玩具がある。因みに組み立てるのが大変だったそう……。

 企業であるからには、いずれは利益を上げなければならない。サイボウズ・ラボにも、会社全体としては、3~5年といった中長期でビジネスの種になるものを開発するというミッションがある。しかし、それは最終的に誰かが果たせばいいことで「ビジネスになることが好きな人がやればいい」という考えのようだ。

「私は『多くのユーザーに使ってもらえるサイト』を作りたいという面からすると、比較的ビジネス寄りかもしれません。Pathtraqの可能性は大きく2つあると考えていて、その1つが前述の『時事性』、もう1つは『統計ツール』だと考えています。リニューアルの際には、ドメイン単位のリーチ率を表示するようになり、統計ツールとしての機能も高めました。他にも、サイトのアクセス数の比較ができるようにもなりましたので、例えば、競合会社のアクセス数情報を見たりとか、アクセス数の比較などができる。今後、いろいろな可能性が考えられると思っています」

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