立ち読み「MACPOWER 2008 Spring」 Vol. 1
ソフトウェアアップデートでさらなる進化を遂げたiPhone&iPod touch
2008年02月27日 12時00分更新
拡張可能な情報デバイスにiPod touchが進化
もう1つの目玉ソフトが、Google Map専用ブラウザー「マップ」だ。Wi-Fiで接続してマップを起動すると、画面上に任意の地図が表示され、指だけで自由自在に移動、拡大などの操作ができる。通常の地図と衛星写真、地図と衛星写真の同時表示の3つのモードを切り替えるような操作も可能だ。SafariでGoogle Mapやオフラインの地図サービスを使うよりも、表示が極めて高速かつスムーズで快適だった。
もちろん、検索機能もサポートしている。画面上の「検索」バーに住所やキーワードなどを入力すると、その場所を地図上に表示する。キーワードの検索では、代表的な駅名や公共施設などを指定すればいい。しかも、検索結果の地図をブックマークとして保存しておける。
秀逸な機能は、マップの画面左下にある「現在地」ボタンをクリックすると、現在の場所を地図上に表示すること。この仕組みは、街中に飛び交う公衆無線LANサービスの電波を捕捉し、そのサービスのアクセスポイントが持つ位置情報を基に現在地を割り出している。このサービスは米Skyhook Wireless社のデータベースを利用しているが、現在のところ日本では東京都内の中心部や、一部の高速道路沿線(常磐自動車道、東関東自動車道など)でしか利用できない。
またマップの「経路」モードは、2つの地点を指定して最適な経路を探索し、地図上にルートや所要時間などを表示するための機能だ。さらに道路の「渋滞情報」へのアクセスも可能だが、現時点では日本国内の情報は用意されていない。
「メモ」は備忘録としてソフトウェアキーボードを使って手軽にテキストベースで入力・保存できるソフトだ。ただし、メモデータはiTunesによる同期が行えないので、Mac上では活用できない。あくまで、iPod touch上で管理するためのものだ。
「天気」については、米国のYahoo!の気象情報データにアクセスし、気象情報や予報を表示する。初期設定ではアップル本社のある米カリフォルニア州クパティーノ市の気象情報となるが、任意の都市名を英語で入力すれば、変更可能だ。また、複数の場所を登録しておけば、左右にフリックして各地の天気予報に切り替えられる。
「株価」は株価平均や特定の銘柄の最新株価とチャートのソフトだ。初期設定の米ダウ・ジョーンズ(DJI)のほか、ページ内で「Yahoo!ファイナンス」などへのリンクも用意されている。
今回のiPod touchは5つのアプリケーションが新たに追加されたが、2月配布予定のiPhone/iPod touchのSDK(開発キット)のリリースにより、今後はサードパーティー製のネイティブアプリケーションがiTunes Storeを通じて提供される可能性は高い。まさに、iPod touchは音楽/ムービープレーヤーの域を超え、これから続々と登場するであろう新アプリケーションで武装できる、拡張可能な情報デバイスに進化したのだ。
(MACPOWER 2008 Spring EXTRA EDITIONより転載)