富士フイルムの銀塩フィルムに近い色合いを実現する
“フィルムシミュレーションモード”
もうひとつの新機能が“フィルムシミュレーションモード”だ。これは撮影画像を同社の銀塩フィルムに近い色あいにするモードで、“Velvia/PROVIA/ASTIA”の3種類と、肌色再現性の高い“ポートレート”の4種類が用意される。従来からFinePixシリーズには「クローム」と呼ばれる色が鮮やかになるモードが用意されていたが、クロームでは彩度やコントラストを強調するだけなのに対し、フィルムシミュレーションモードは色空間全体を変更させる処理がなされているとのことだ。なお、Velvia/PROVIAはISO 100でも動作するが、ASTIAとポートレートはISO 200以上で動作し、ISO 100に固定していても自動でISO 200に感度アップする。
これらの機能追加に合わせて、1回のレリーズで3枚の画像を撮影する(シャッターは3回続けて切れる)ブラケット撮影にもバリエーションが用意されている。ダイナミックレンジは100/200/300%を、フィルムシミュレーションはVelvia/PROVIA/ASTIAを、それぞれ1回のレリーズで撮影できる。このブラケット撮影の切り替えは、本体左側面にある連写モード切り替えボタンで操作し、連写や高速連写、露出ブラケット撮影などを選択する(連写モードボタンを押しながら電子ダイヤルを回転させる)。やや気になった点としては、電源を一度OFFにするとブラケットモードがクリアされて単写になるのだが、ブラケットONによって自動アップされたISO感度設定はそのまま記憶されるなど、保存されるモードとデフォルトに戻るモードが混在しているのがやや使いづらい印象を受けた。
このほか、顔検出機能もさらにブラッシュアップされ、完全に逆さになった人の顔でも検出できるようになったほか、検出速度も高速化されてストレスなく使えるようになった。