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「ユーザーはコンテンツに集まる」 ウィキアに聞く「成功するコミュニティー」

2008年02月19日 09時00分更新

文● 板井博史

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ウィキアの仕事にはWikipediaの経験が必要


 複数の志望者の中から福澤さんが採用されたのは、Wikipediaでの経験の差だった。この経験がウィキアの仕事には重要だという。

Wiki

日本では現在100個ほどのプロジェクト(Wiki)が立てられている。ゲーム系が活発だという

 「Wikipediaは2001年ごろから始まったプロジェクトです。英語版は2003年の時点で10万記事程度。それが2007年には200万記事に増えているんです。Wikiはもともと初期の伸びが弱いんですけれども、記事が増えていくと今度はものすごい速度で増えていく。さらに、それをまとめていくコミュニティーもどんどん形成されていって、うまくいけば倍々ゲームでプロジェクトが大きくなっていくんです。こういった経験を営利事業の中で活かしているのがウィキアという会社で、Wikipediaの経験があることがウィキアでは重要なんです」

 ウィキアとそのほかのWikiのホスティングサービスとの大きな違いは、「ユーザーが作ったWikiをそのままにしないことだ」と書いた。違いは最初にWikiを作る段階からある。ウィキアでは、アカウントを登録してもすぐにWikiを作れるわけではない。作りたいWikiを事前に申請しなければならない。これは、重複する内容のWikiが複数立てられたり、コミュニティーにはふさわしくない内容を防ぐためだ。

 ユーザーから「こういうことはできないか」と相談を受けるのもコミュニティスタッフの仕事だ。場合によっては、スタッフのほうからユーザーに対して、更新の方向性を提案してみることもあるという。

 「こちらからユーザーさんに『どうします? なかなか進んでいませんね?』って話しかけることもあります。それがトリガーになって少しでも記事が進めばいいと思いますし。普段からメールでユーザーさんたちとやりとりをしてて、さっき言ったドラえもんの横山先生にしたって、『これどうすればいいですか?』という質問が来たりして、それに答えるのも仕事のうちですね。」

 さらに、日本ではまだそれほど行なっていないが、Wikiの「移行」を勧めるということもやっているという。

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