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「ユーザーはコンテンツに集まる」 ウィキアに聞く「成功するコミュニティー」

2008年02月19日 09時00分更新

文● 板井博史

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メール1本でウィキアに採用、作業は自宅でマイペース


 そんな福澤さんがウィキアのスタッフとなったのは、2007年5月のこと。前職はERP関係のプログラマーだった。Wikipediaに関わるようになったのは、2005年ごろから。ユーザーとして記事の手直しなどを行なっていたという。そんな福澤さんがウィキアに入るきっかけとなったのが、昨年3月のジミー・ウェールズの来日だ。

福澤氏

入社の手続き「本当にいいのかなというぐらいカンタンだった」と福澤氏は話す

 「ジミー・ウェールズが、半分観光・半分講演みたいな感じで来日して、1ヵ月ぐらい滞在していったんですよ。僕は色々とイベントをやるのが好きだったので、ジミーが来日したときに、公開インタビューをやったんです。ウェブ上でジミーに対する質問を募って、20個ぐらいこちらで選んで、当日ジミーにインタビューするというのをやりました。そのときジミーがウィキアの日本人社員を探しているという話があって、それに応募して採用されたというのが一応の経緯ですね」

 ところが、応募のレジュメをジミー・ウェールズに送っても一向に返事がない。1ヵ月が経ち、しびれを切らした福澤さんはジミー・ウェールズに催促のメールを送った。そうすると「悪い悪い」と言って採用の条件を提示するメールが送られてきた。それを承認したらメーリングリストが送られくるようになり、そこからウィキアスタッフとしての活動が始まった。

 入社式のようなものはなかった。契約書のたぐいもストックオプションの書類以外は書いたことがないという。普段の仕事も日本の自宅で行ない、労働時間も厳密には決まっていない。

 「僕が所属するコミュニティーチームのスタッフは9人いるのですが、みんな住んでいるところがバラバラなんですよ。僕は日本にいて、中国語担当は台湾、スペイン語担当はチリ。コミュニティチームのリーダーを務めるアンジェラ・ビーズリーはオーストラリアにいます。世界各国バラバラだから、普段のやりとりはSkypeとメールで済ませています」

 世間一般の会社から見たらずいぶんと型破りに見えるが、こうした自由な雰囲気がウィキアの社風だという。会社の仕事もまるでコミュニティー運営の一環のような雰囲気があり面白い。

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