このページの本文へ

903万ユーザー獲得の秘訣は「居心地のよさ」

「モバゲー」を1人で開発した男──川崎修平氏の素顔(前編)

2008年02月20日 12時00分更新

文● 広田稔(編集部)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

顔を知らないから何でも言えるオープンな場所


── 「口コミをなくさないために、リアルを残した」というのは具体的にどういう話ですか?

川崎 リアルの友達を紹介するとモバゴールドをもらえるという単純な仕組みです。

 難しいのはリアルの友達を誘ってしまうと、実際の姿を知っているがために、日記などを見て「アイツ、あんなこと言ってるよ」とバレてしまって、ネットやリアルで動きにくくなるのかなという思いもありました。


── 逆に言うと、顔を知らないから、何でも言えて、誰でも友達になれるような「居心地のよさ」につながる。そんなサイトを作ろうと目指していたところもありますか?

川崎 ええ。日記などを非公開にする設定もあえて完全に取っ払って、「全員見せてるんだから、お前も恥ずかしがらずに見せろよ」という前提で調整しているんです。そうしたモバゲー独自のオープンな文化作りに気を遣いました。


── 匿名でバーチャルなコミュニケーションといっても、例えば「2ちゃんねる」のようなサイトとは雰囲気が全然違いますよね。

川崎 違いますね。バーチャルとはいえ、その人格には責任を持ってほしい。アバターというゆるいアイデンティティーが、モラルの放棄をつなぎ止めているという感じですかね。


── ユーザーからは「居心地がいい」という声は返ってきましたか?

川崎 ここまでユーザー数が増えてしまった今では、全員が「居心地いい」では、逆に気持ち悪い感じがしますけど、反響を見てみると全体的にはかなり愛されていると思います。


モバゲーの使われ方


 モバゲーには、「モバ家族」「モバ学校」「モバ彼」「モバカノ」(彼女)といった、一種の「ままごと」のようなバーチャルな友達の間で役割分担をしてコミュニケーションを図るユニークな使われ方がある。


 例えばモバ家族では、相談に乗ってくれる人は「お父さん」や「お兄ちゃん」といった具合に年齢や性格によって家族の役割を決めて、悩みなどを打ち明けるといった具合だ。これはDeNAが意図したものではなく、ユーザーが生み出した使い方だという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン