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903万ユーザー獲得の秘訣は「居心地のよさ」

「モバゲー」を1人で開発した男──川崎修平氏の素顔(前編)

2008年02月20日 12時00分更新

文● 広田稔(編集部)

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無料でも面白いゲームを作りたかった


── ゲーム作りでは、何かテーマはありましたか?

モバラリー

川崎氏自身が作ったゲームのひとつである「モバラリー」

川崎 モバゲーを開始前の頃(2006年初頭)は、ケータイ向けサイトにおいて、クオリティーの高いゲームを無料で提供するサイトがほとんどありませんでした。だから、タダでもきちんと面白いものを作ればウケるだろうと考えていました。

 私が開発したのは、通信対戦ゲームを開発するときに使うAPIやフレームワークの部分で、誰がゲームを作っても、極力同じ操作性を実現できるように調整しています。

 その後は別の担当の人物が引き継いで、協力会社と一緒に新作を作っています。ちなみにゲームにはフラッシュのものとアプリのものがあって、私が作ったのはアプリの基礎部分と、「大富豪」「モバラリー」「モバリバーシ」といった3本のゲームだけです。


── ケータイ向けゲームというと、普通のテレビゲームと遊ぶ条件が異なります。開発段階で気をつけたことはありますか?

川崎 最初の時点では、コミュニティー単体で流行するかどうかが分からなかったため、リアルタイム対戦できるゲームを投入して、「ケータイでこんなに快適に通信対戦ができるんだ!」というインパクトを出したかった。

 あとは比較的軽めなゲームを目指しています。フラッシュでは基本ワンボタンで操作できるし、アプリのゲームでは起動してすぐに遊べるものを目指しました。


── 仕様が異なる端末が数多くあるケータイの世界では、開発時の動作チェックが大変だったのではないでしょうか?

川崎 昔は結構クセがありましたが、モバゲーを投入する時期の端末ではちょうど機種間の差がなくなってきた時期でした。一応、全機種ではチェックしますけど、そこまでむちゃくちゃな苦労はしていません。ハードウェア的な制限が減っていた時期だったので、ケータイ向けゲームの開発にはいいタイミングだったのかもしれませんね。


── 川崎さんが好きなオールドゲームとケータイ向けゲームは、シンプルさや操作性が似ていますよね。そんなオールドゲームを作る感覚で、モバゲーのゲームも開発していたという?

川崎 そうですね。今、普通のコンソールのゲームを作ると、ものすごい開発費と人員が必要になります。ケータイの場合は、初期のゲーム業界と一緒で、ごく少人数で作っても十分に楽しんでもらえる。ゲーム性を重視できるので、作り手としては面白いですよね。


後編に続く


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